著者
菅沼 眞澄 七戸 和博 戸津川 清 村田 尚 木村 直子
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 = Animal-husbandry (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.388-390, 2009-03 (Released:2011-03-05)
著者
戸津川 清 菅原 七郎 竹内 三郎
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.319-326, 1974

家兎胚盤胞の性鑑別及び移植により,産子の性支配を行うことを目的とし,その基礎実験としてトロホプラスト細胞の切り取り方法,同細胞の染色及び処理胚盤胞の回復等について検討した.1. 胚盤胞の固定のための装置として,吸引ピペットの先端にミリポァ•フィルターを接着することにより,胚盤胞の損傷を防ぐことができた.2. トロホブラスト細胞を切り取る方法としては,透明帯に針で穴を開け,その穴からトロホブラスト細胞を毛細管により引き出して,それを眼科用ハサミで切り取る方法が最良であった.3,セックス•クロマチンの有無による性鑑別比は1:1であった.4. 処理胚盤胞を各種培地中で培養した結果,子牛血清,家兎血清,イーグルMEM培地+20%子牛血清及びハムF12培地+10%子牛血清区において24時間後に,約70%の処理胚盤胞が回復した.これら4者の間には有意差(P⟩0.05)は認められなかった.5.処理後80%程度に縮小した胚盤胞(無処理時の体積を100%)は,大部分のものが,3~5時間後に回復し,50%に縮小した胚盤胞は,約12~24時間後に回復するもの(70%)と,萎縮してしまう2つの型に分れた.また,20%に縮小した胚盤胞は,大部分(80%)が萎縮した.6. 切り取る細胞数と回復の間には相関関係はなかった.