著者
戸田 誠之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.708, pp.15-24, 2002-03-05
被引用文献数
1

本稿では,グラフ同型性判定問題の計算量に関する研究動向を概説する.まず,この判定問題がNP困難ではないと予想させる二つの基本的な根拠を説明し,次に,グラフの様々なクラスに関する同型性判定問題の計算量について解説する.なお,本稿は文献[戸田,グラフ同型性判定問題の計算量,電子情報通信学科論文誌D-I,2002年2月掲載予定]から抜粋したものである.より詳しい内容については,この文献かまたは文献[戸田,グラフ同型性判定問題,日本大学文理学部叢書,冨山房,2001年11月]を参照されたい.
著者
堀 浩一 戸田 誠之助 安永 尚志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1209-1210, 1986-10-01

従来、論文検索システムをはじめとする情報検索システムのために、所望の情報にたどりつくためのキーワードの抽出法と使用法について、さまざまな研究がなされてきた。キーワードの構造化、キーワードの種類のコントロール、シソーラスの作成法と利用法などが考えられてきたが、結局のところ、大規模なシステムにおいては、単純な、構造のない、また、コントロールされないフリーキーワードが使われることが多かった。その理由は、システム製作者がどんなにがんばっても、構造や、キーワードの種類を把握しきれないためであると考えられる。これは、自然言語の意味処理全般に通じる問題であって、どんなに工夫しても、意味のあらゆる側面をカバーする表現体系をあらかじめ与えることは不可能である。そこで、筆者らは、ユーザ1人1人に合わせて、単語の意味を学習するシステムを考えた。単語の意味は、単語と概念からなる空間の構造として表現される。意味を空間的に表現しようというアイディアそのものは新しいものではないが、ユーザに合わせて空間を変形していくというメカニズムを与えることにより、あらかじめ把握できない意味も学習されるようになり、単純なキーワードでは検索不可能だった情報を、意味の空間的表現を介して、見付けることが論文検索システムにおいて可能になった。文学の論文検索システムに応用した例を以下に示す。