著者
持田 蔵 鷺山 和幸 関 成人 内藤 誠二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.71-74, 2004-01-20
被引用文献数
4

症例は63歳男性,排尿困難を主訴に近医受診,前立腺肥大症の診断にて内服治療を受けていたが,症状軽快せず手術目的に当科紹介となった.前立腺容積は経直腸前立腺エコーにて220mlであった.2002年9月26日に経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術を施行した.手術時間は211分であり,核出重量は156gであった.自己血を含め輸血は行っておらず,低Na血症も認められなかった.術後3日目に尿道カテーテル抜去,術後5日目に退院となった.術後3ヵ月目の最大尿流量率は58ml/秒(術前7m1/秒),IPSSは1(術前19),QOL indexは1(術前6)であった.本邦において,前立腺容量が200mlを超える前立腺肥大症に対する内視鏡手術の報告は認められない.経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術は巨大な前立腺肥大症に対して安全に施行できる手術法である.