著者
関 成人
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.445-450, 2015-01-15 (Released:2016-05-19)
参考文献数
20

前立腺肥大症に対する手術治療として,波長532 nm のLBO レーザーを用いる光選択的レーザー前立腺蒸散術(PVP)ならびにHo:YAG レーザー(波長2140 nm)による前立腺核出術(HoLEP)は,いずれも標準術式である経尿道的前立腺切除術(TURP)と同等の治療効果を示す一方で,周術期の出血リスクの軽減や術後のカテーテル留置や入院期間の短縮が期待できる有用な方法として我国において普及が進んでいる.
著者
関 成人
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.5, pp.368-373, 2007 (Released:2007-05-14)
参考文献数
13
被引用文献数
1

排尿障害は蓄尿(尿をためる)障害と排出(尿を出す)障害に大別される.蓄尿障害には排尿筋の収縮を抑制する薬物(抗コリン薬や平滑筋弛緩薬)あるいは膀胱出口部抵抗を増強する薬物(α1およびβ2受容体作動薬)が用いられ,排出障害には排尿筋収縮を増強する薬物(コリンエステラーゼ阻害薬など)ないし膀胱出口部抵抗を減弱させる薬物(α1遮断薬や抗男性ホルモン薬)が適用される.しかし閉塞性疾患(前立腺肥大症など)と合併する過活動膀胱に代表される,蓄尿および排出障害が混在する病態における抗コリン薬の有用性は十分確立されておらず,その使用は慎重に行う必要がある.排尿障害の薬物治療における問題点としては,排尿筋収縮力障害に対する有効な薬物に乏しいことと,有病率の高い過活動膀胱に対する第一選択薬である抗コリン薬の有害事象が挙げられ,抗コリン作用とは異なる作用機序を有する治療薬物の臨床応用や開発が進められている.
著者
持田 蔵 鷺山 和幸 関 成人 内藤 誠二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.71-74, 2004-01-20
被引用文献数
4

症例は63歳男性,排尿困難を主訴に近医受診,前立腺肥大症の診断にて内服治療を受けていたが,症状軽快せず手術目的に当科紹介となった.前立腺容積は経直腸前立腺エコーにて220mlであった.2002年9月26日に経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術を施行した.手術時間は211分であり,核出重量は156gであった.自己血を含め輸血は行っておらず,低Na血症も認められなかった.術後3日目に尿道カテーテル抜去,術後5日目に退院となった.術後3ヵ月目の最大尿流量率は58ml/秒(術前7m1/秒),IPSSは1(術前19),QOL indexは1(術前6)であった.本邦において,前立腺容量が200mlを超える前立腺肥大症に対する内視鏡手術の報告は認められない.経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術は巨大な前立腺肥大症に対して安全に施行できる手術法である.