著者
黒木 裕鷹 真鍋 友則 指田 晋吾 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.47-53, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

決算説明会とは,企業がステークホルダーに対し業績や計画・戦略を決算内容とともに説明する場である.決算説明会の参加者は経営者による説明を聞くことができるほか,質疑応答を通して業績と見通しに関する疑問を解消することができる.一方で,参加者はアナリストや機関投資家に限定されていることが多く,決算説明会に参加できない投資家との情報格差が指摘されてきた.しかしながら,本邦における決算説明会の情報価値についての分析例はほとんど存在しない.そこで本報告では,質疑応答を含む決算説明会のテキストデータに感情極性を付与し,説明会がもつ情報価値を定量的に分析する.具体的には,金融専門極性辞書と Fama-French のファクターモデルを利用して株価リターンに対する説明力を分析する.
著者
真鍋 友則 黒木 裕鷹 指田 晋吾 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.18-22, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

本稿では, 企業の IR 戦略の一つであるパブリックな情報公開の効果を検証する. 企業のIR 活動は自社への投資呼び込みを目的として行なわれている. 決算報告会は主要な IR 活動の一つだが, 企業間で時期が重複しやすく, 投資家の参加が分散してしまうことで機会損失を生じるという課題がある. この損失を埋める目的で, 一部の企業は決算報告会の内容を書き起こしたテキストをウェブ上のプラットフォームや自社 HP で一般公開し, 情報へのアクセシビリティを高めている. しかし, 実際にこのような情報公開が投資家の関心を惹きつけ, 投資の呼び込みを促す効果があるかについては未だ検証されていない. ここでは, このような企業の情報開示戦略の変化と株式の出来高の変化の関連を重回帰分析によって評価し, その効果検証を試みる.
著者
中川 慧 指田 晋吾 坂地 泰紀 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.FIN-024, pp.171, 2020-03-14 (Released:2022-11-25)

A lead-lag effect in stock markets describes the situation where one (leading) stock return is cross-correlated with another (lagging) stock return at later times. There are various methods for stock return forecasting based on such a lead-lag effect. One of the most representative methods is based on the supply chain network. In this research, we propose a stock return forecasting method with an economic causal chain. The economic causal chain refers to a cause and effect network structure constructed by extracting a description indicating a causal relationship from the texts of Japanese financial statement summaries. We examine the following lead-lag effect. (1) whether lead-lag effect spreads to the 'effect' stock group when there is a large stock uctuation in the 'cause' stock group in the causal chain. (2) whether lead-lag effect spreads to the 'cause' stock group when there is a large stock uctuation in the 'effect' stock group in the causal chain. We confirm the existence of the both side of lead-lag effect and the evidence of stock return predictability across causally linked firms in the Japanese stock market.