著者
黒木 裕鷹 真鍋 友則 指田 晋吾 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.47-53, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

決算説明会とは,企業がステークホルダーに対し業績や計画・戦略を決算内容とともに説明する場である.決算説明会の参加者は経営者による説明を聞くことができるほか,質疑応答を通して業績と見通しに関する疑問を解消することができる.一方で,参加者はアナリストや機関投資家に限定されていることが多く,決算説明会に参加できない投資家との情報格差が指摘されてきた.しかしながら,本邦における決算説明会の情報価値についての分析例はほとんど存在しない.そこで本報告では,質疑応答を含む決算説明会のテキストデータに感情極性を付与し,説明会がもつ情報価値を定量的に分析する.具体的には,金融専門極性辞書と Fama-French のファクターモデルを利用して株価リターンに対する説明力を分析する.
著者
前嶋 直樹 真鍋 友則
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

名刺交換に基づくビジネスネットワークは、従来の社会科学では明らかにできなかった経済的・社会的行為や価値に関する問題への計算社会科学的アプローチを可能にする。本講演では、転職や企業成長、ブランド価値、業界による「人脈作り」の違いなど、様々な観点から、名刺交換ネットワークを理解することでどのような新たな知見を創出できるのかについて報告する。
著者
真鍋 友則 山城 広周 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin163, 2020 (Released:2020-06-19)

B2B企業ブランドに関する研究は近年注目されているが, その構成要素の特定や測定方法が未解決の課題として挙げられている. 本研究では, 企業の従業員とコンタクトを持つ人たちを対象としたアンケート調査に基づいた, 新たなB2Bブランド指標データを用いて, 上記問題にアプローチした. その調査データに含まれる自由記述文を, ブランド印象のレーティングを応答変数として、 supervised topic models を用いて分類し, ブランド印象を形成する構成要素を抽出した. さらに, その要素の中で「高い技術、魅力的な商品」が, 他の特徴よりも強く, 企業の株式市場価値と関連があることを見出した. これらの結果は, 今まで企業のブランド戦略やステークホルダー・エンゲージメントを考える上で, 経営上重要な知見であり, また, このような指標が, 無形資産価値を対象とした投資指標としても, 有効であることを示唆している.
著者
真鍋 友則 中川 慧
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.87-104, 2020-09-15 (Released:2020-09-28)
参考文献数
29

本稿では,日本企業におけるブランド価値評価と株価との価値関連性を分析する.特に,ビジネス関係においての企業印象指標と,企業価値の関係を調べるため,ブランド価値評価のプロキシーとして,名刺ネットワーク情報を用いた調査手法で測定された企業ブランド指標BBESを用いる.BBESの特徴としては,調査対象企業の名刺を保有しているユーザー(ビジネス上の関わりのある人物)のみを調査対象集団としていることが挙げられる.この特徴から,一般認知度の低いB2B企業についても,風評や経験に基づくブランド力が測定されていることが期待される.このBBESデータがブランド価値のプロキシーとして,株価との価値関連性を有するかどうかを統計的に検証することが本稿における目的である.日本企業を対象にした実証分析により,財務諸表における純資産と利益の情報を所与として,BBESが株価の形成を追加的に説明することを明らかにした.またその説明力は,特にB2B企業群において高い値を示した.
著者
真鍋 友則 黒木 裕鷹 指田 晋吾 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.18-22, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

本稿では, 企業の IR 戦略の一つであるパブリックな情報公開の効果を検証する. 企業のIR 活動は自社への投資呼び込みを目的として行なわれている. 決算報告会は主要な IR 活動の一つだが, 企業間で時期が重複しやすく, 投資家の参加が分散してしまうことで機会損失を生じるという課題がある. この損失を埋める目的で, 一部の企業は決算報告会の内容を書き起こしたテキストをウェブ上のプラットフォームや自社 HP で一般公開し, 情報へのアクセシビリティを高めている. しかし, 実際にこのような情報公開が投資家の関心を惹きつけ, 投資の呼び込みを促す効果があるかについては未だ検証されていない. ここでは, このような企業の情報開示戦略の変化と株式の出来高の変化の関連を重回帰分析によって評価し, その効果検証を試みる.
著者
真鍋 友則 中川 慧 吉田 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ブランド価値や顧客満足度が B2C 企業のキャッシュ・フローや株主価値に影響することはこれまで示されてきた. 我々は本研究において, 同様の関係が B2B 企業においても成り立つかどうかを調べた. そのために, B2B 企業のブランド指標として, 名刺交換ネットワークを利用して作成された大規模アンケート調査を利用した. この新たな企業ブランド指標は, その企業の従業員と人的ネットワークを有する人々に限定した調査に基づいて作成されており, 一般的な認知の低い B2B 企業に対するブランド評価を可能にしたものである. 我々は, この企業ブランド指標が株主価値と正の関連性があることを示した. この結果は, この新規 B2B 企業ブランド指標が無形資産を反映していること, また, B2B 企業においてもブランド価値が株主価値と関連することを新たに示すものである.
著者
髙橋 寛治 糟谷 勇児 真鍋 友則 中野 良則 吉村 皐亮 常樂 諭
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.808-822, 2018-10-15

Sansan(株)はクラウド名刺管理サービスを提供している.現在のデータ化精度は99.9%であり,ビジネスユースに耐え得る名刺読み取り精度を実現している.OCRのみではこの精度を実現できず,クラウドソーシングを活用することで高精度と低コストを実現している.本稿では,高精度かつ低コストなデータ化のためのクラウドソーシングの取り組み事例を紹介する.具体的には,(1)スパムワーカと疑われるワーカに対して,警告文を表示することで入力精度を89.4%から91.1%(入力ワーク時)に向上することができること,(2)報酬を2,3倍にした際の作業量の増加率が,それぞれ13.7%,31.8%(選択ワーク時)と必ずしも2,3倍にはならないことが分かったこと,(3)ワークの完了条件を2人のワーカの結果がマッチした時点と3人のワーカの結果がマッチした時点で変えた際に,入力精度に大きな差が見られなかったことなどを報告する. これらは既存の研究で報告された内容から逸脱するものではないが,実際の事業での応用において具体的な数値を元に報告したものとして有用な事例研究である.