著者
渡辺 洋子 政木 みき 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.2-31, 2019 (Released:2019-07-20)

ニュースメディアの多様化が政治ニュース接触や政治意識に及ぼす影響を検証するためNHKが2018年に実施した全国世論調査を元に分析を行う。▼最も多くニュースに接するメディアは性、年層などで異なり「新聞」「NHK報道」「民放報道」「民放情報番組」「Yahoo!ニュース」「LINENEWS」などに分かれる。▼このメインメディア別にみると①「新聞」「NHK報道」がメインの人は政治ニュースに自発的、積極的に接触し、接触頻度や政治への関心、投票意欲が高い。②「Yahoo!ニュース」「民放報道」がメインの人は中程度の態度、③「民放情報」「LINENEWS」がメインの人は政治ニュースの接触態度が受け身で、接触頻度、政治への関心、投票意欲が低い傾向にある。「LINENEWS」がメインの人は「Yahoo!ニュース」がメインの人に比べ情報源を気にする人が少ないなどネット系メディア利用者の間でも差がある。▼政治への評価や個別課題の賛否でもメディア別の差がみられたが、あるメディアをメインに使う人が政権の打ち出す政策に対し一貫して肯定的だったり、保守的傾向が強かったりといった一定の方向性はうかがえなかった。政治的意識の違いを生み出しているのはメディア利用だけではなく、性、年層、支持政党なども影響していると考えられる。ただし、情報接触態度の違いが接触する政治情報の量や質の差を広げ、将来政治的態度の差を拡大する可能性は考えられる。
著者
渡辺 洋子 政木 みき 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.2-31, 2019

ニュースメディアの多様化が政治ニュース接触や政治意識に及ぼす影響を検証するためNHKが2018年に実施した全国世論調査を元に分析を行う。▼最も多くニュースに接するメディアは性、年層などで異なり「新聞」「NHK報道」「民放報道」「民放情報番組」「Yahoo!ニュース」「LINENEWS」などに分かれる。▼このメインメディア別にみると①「新聞」「NHK報道」がメインの人は政治ニュースに自発的、積極的に接触し、接触頻度や政治への関心、投票意欲が高い。②「Yahoo!ニュース」「民放報道」がメインの人は中程度の態度、③「民放情報」「LINENEWS」がメインの人は政治ニュースの接触態度が受け身で、接触頻度、政治への関心、投票意欲が低い傾向にある。「LINENEWS」がメインの人は「Yahoo!ニュース」がメインの人に比べ情報源を気にする人が少ないなどネット系メディア利用者の間でも差がある。▼政治への評価や個別課題の賛否でもメディア別の差がみられたが、あるメディアをメインに使う人が政権の打ち出す政策に対し一貫して肯定的だったり、保守的傾向が強かったりといった一定の方向性はうかがえなかった。政治的意識の違いを生み出しているのはメディア利用だけではなく、性、年層、支持政党なども影響していると考えられる。ただし、情報接触態度の違いが接触する政治情報の量や質の差を広げ、将来政治的態度の差を拡大する可能性は考えられる。
著者
政木 みき 吉澤 千和子 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.2-25, 2018 (Released:2018-06-20)

世界に衝撃を与えたトランプ政権の発足から2018年1月で1年を迎えた。米国第一主義をスローガンに、国益拡大を最優先するトランプ大統領の政策や言動は、米国社会、そして日米関係に何をもたらすのか。NHKでは就任1年を前に、米国と日本両国民の意識を探る日米同時世論調査を実施した。トランプ大統領に良い印象を持つ人は米国で33%、日本で18%と日米ともに少なく、米国で良い印象を持つ人が多い層は、共和党支持層、白人、地方在住者、中高年に限られる。また、米国ではトランプ大統領によって社会の分断が深まったと考える人が多く、移民の規制強化に関して世論は割れている。一方、経済の現状についての評価は高く、米国第一主義や外国製品に対する関税引き上げなど保護主義的な政策についても支持が不支持を上回る。これに対し、日本では米国第一主義を「良くない」とする人が多数である。現在の日米関係については、日米ともに半数程度が良いと考え、日米同盟についてもお互いを信頼できる同盟国だと思っている人が多い。北朝鮮の核・ミサイル問題を脅威だとする認識は日米で共有していて、日米とも「話し合い」や「経済的圧力」など非軍事的な解決方法を望む人が半数を超える。