著者
河野 啓子 後藤 由紀 畑中 純子 野口 多恵子 吉川 悦子
出版者
四日市看護医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

産業看護職に必要なコンピテンシーとして、「自己成長する力」、「産業看護の本質を貫く力」、「チーム力を高める力」、「戦略立案・業務遂行する力」、「人・部門・組織間を調整する力」、「人の成長をサポートする力」、「創出する力」といった7つのコンピテンシーが開発された。これらは本来の産業看護活動を行う上で不可欠なものであることから、産業看護職の資質を向上させるためには、これらのコンピテンシーを育成するための教育が必要である。そこで、教育のあり方を論じ、教育内容、教育方法、教育システムについて一定の方向性を見出した。
著者
渡辺 洋子 政木 みき 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.2-31, 2019 (Released:2019-07-20)

ニュースメディアの多様化が政治ニュース接触や政治意識に及ぼす影響を検証するためNHKが2018年に実施した全国世論調査を元に分析を行う。▼最も多くニュースに接するメディアは性、年層などで異なり「新聞」「NHK報道」「民放報道」「民放情報番組」「Yahoo!ニュース」「LINENEWS」などに分かれる。▼このメインメディア別にみると①「新聞」「NHK報道」がメインの人は政治ニュースに自発的、積極的に接触し、接触頻度や政治への関心、投票意欲が高い。②「Yahoo!ニュース」「民放報道」がメインの人は中程度の態度、③「民放情報」「LINENEWS」がメインの人は政治ニュースの接触態度が受け身で、接触頻度、政治への関心、投票意欲が低い傾向にある。「LINENEWS」がメインの人は「Yahoo!ニュース」がメインの人に比べ情報源を気にする人が少ないなどネット系メディア利用者の間でも差がある。▼政治への評価や個別課題の賛否でもメディア別の差がみられたが、あるメディアをメインに使う人が政権の打ち出す政策に対し一貫して肯定的だったり、保守的傾向が強かったりといった一定の方向性はうかがえなかった。政治的意識の違いを生み出しているのはメディア利用だけではなく、性、年層、支持政党なども影響していると考えられる。ただし、情報接触態度の違いが接触する政治情報の量や質の差を広げ、将来政治的態度の差を拡大する可能性は考えられる。
著者
渡辺 洋子 政木 みき 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.2-31, 2019

ニュースメディアの多様化が政治ニュース接触や政治意識に及ぼす影響を検証するためNHKが2018年に実施した全国世論調査を元に分析を行う。▼最も多くニュースに接するメディアは性、年層などで異なり「新聞」「NHK報道」「民放報道」「民放情報番組」「Yahoo!ニュース」「LINENEWS」などに分かれる。▼このメインメディア別にみると①「新聞」「NHK報道」がメインの人は政治ニュースに自発的、積極的に接触し、接触頻度や政治への関心、投票意欲が高い。②「Yahoo!ニュース」「民放報道」がメインの人は中程度の態度、③「民放情報」「LINENEWS」がメインの人は政治ニュースの接触態度が受け身で、接触頻度、政治への関心、投票意欲が低い傾向にある。「LINENEWS」がメインの人は「Yahoo!ニュース」がメインの人に比べ情報源を気にする人が少ないなどネット系メディア利用者の間でも差がある。▼政治への評価や個別課題の賛否でもメディア別の差がみられたが、あるメディアをメインに使う人が政権の打ち出す政策に対し一貫して肯定的だったり、保守的傾向が強かったりといった一定の方向性はうかがえなかった。政治的意識の違いを生み出しているのはメディア利用だけではなく、性、年層、支持政党なども影響していると考えられる。ただし、情報接触態度の違いが接触する政治情報の量や質の差を広げ、将来政治的態度の差を拡大する可能性は考えられる。
著者
河野 啓子 武澤 千尋 後藤 由紀
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2023-018-A, (Released:2023-08-03)

目的:わが国において今まで行われてきた「産業看護に関する研究」の推移を概観し,今後どのような研究の強化が求められるのか,その方向性を見出すことを目的とした.対象と方法:医中誌Webを用い,キーワードを「産業看護」and「研究」とし,1903年以降に発行されたすべての文献を対象とした.全760件の中から,商業誌を除外した483件とハンドサーチにより追加した3件を加えた486件について,その種類及び年代別の発行数を集計した.研究内容の分類は,原著・総説論文に該当する194件について行い,実践方法と実践能力の側面から分類した.結果と考察:486件の文献全体を種類別に見ると,会議録230件(47.3%)であり,全体の5割近くを占めていた.原著・総説論文は194件(39.9%)であり,ほぼ4割を占めていた.原著・総説論文のうち,実践方法の側面からの分類では,総括管理107件(55.2%),健康管理86件(44.3%),作業環境管理1件(0.5%)であり,作業管理,労働衛生教育はともに0件であった.実践能力の側面からの分類では,知識125件(64.4%),技術23件(11.9%),コンピテンシー46件(23.7%)であった.年次推移をみると,論文数ではいずれの種類の論文も年代区分が進むにつれて増えていた.また,全486件中,会議録が最も多く,1992年までは8割を超えていたが,次第にその割合は減少し,直近では5割を下回っていた.一方,原著論文は当初2割を下回っていたが,年代区分が進むとともにその割合が増加し,直近では4割を超え,数も会議録を上回り,よい経過をたどっていると考える.論文の内容についてみると,実践方法に関する論文では,作業環境管理,作業管理,労働衛生教育に関する研究がほとんどみられなかった.また,実践能力に関する論文では,知識に関する研究が最も多く,技術ならびにコンピテンシーに関するものもある程度なされてはいるものの,産業看護職にとって重要と考えられるにもかかわらず,まだ手がつけられていない領域があることが浮き彫りにされたと考える.結論:わが国の産業看護に関する論文については,1980年に初めて会議録が発表されて以来,論文数は着実に増えていることが明らかになった.論文の内容について,実践方法の側面からの分類では,総括管理が最も多く,そのうち産業看護管理が8割近くを占めていたことから,研究を通して産業看護の発展を目指した努力がうかがえた.一方で,作業環境管理に関する研究は,ごく少なく,作業管理,労働衛生教育に関する研究は0件であったことから,今後,これらに関する研究の必要性が示唆された.実践能力の側面からの分類では,知識に関するものが全体の6割を超え,産業看護職としての成果を上げるために必要なコンピテンシーに関する研究は2割強であった.また,コンピテンシーの内訳についても数の少ない領域があり,これについても今後の強化の必要性が示唆された.
著者
河野 啓子 工藤 安史 後藤 由紀 中神 克之 畑中 純子
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-7, 2019-10-02 (Released:2019-11-21)
参考文献数
7
被引用文献数
2

目的:本研究は,産業看護職のコンピテンシー尺度を開発し,信頼性・妥当性を検証することを目的とした.方法:産業看護職375 名に無記名自記式質問紙調査票を配布し,回収数211(回収率56.3%)を分析対象とした.まず,我々が事前の研究で明らかにした40 項目を基に項目分析, 因子分析を行い,尺度項目を決定した. 次に,これらの表面妥当性,構成概念妥当性,基準関連妥当性,信頼性を検証した.結果・考察:36 の項目が尺度項目として決定され,すべてで通過率が97%を超えていたことから表面妥当性が検証されたと考える.また,因子分析の結果抽出された「産業看護を遂行する力」「創出する力」「自己成長する力」はコンピテンシーの条件と一致したことから構成概念妥当性は担保され,尺度合計点数と産業看護経験年数との相関がr=0.318 であったことから基準関連妥当性も示唆されたと考える. クロンバックα係数は3 つの因子すべてが0.9 以上だったことから信頼性が検証されたと考える.結論:我々が開発した産業看護職のコンピテンシー尺度は,信頼性・妥当性が検証された.
著者
政木 みき 吉澤 千和子 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.2-25, 2018 (Released:2018-06-20)

世界に衝撃を与えたトランプ政権の発足から2018年1月で1年を迎えた。米国第一主義をスローガンに、国益拡大を最優先するトランプ大統領の政策や言動は、米国社会、そして日米関係に何をもたらすのか。NHKでは就任1年を前に、米国と日本両国民の意識を探る日米同時世論調査を実施した。トランプ大統領に良い印象を持つ人は米国で33%、日本で18%と日米ともに少なく、米国で良い印象を持つ人が多い層は、共和党支持層、白人、地方在住者、中高年に限られる。また、米国ではトランプ大統領によって社会の分断が深まったと考える人が多く、移民の規制強化に関して世論は割れている。一方、経済の現状についての評価は高く、米国第一主義や外国製品に対する関税引き上げなど保護主義的な政策についても支持が不支持を上回る。これに対し、日本では米国第一主義を「良くない」とする人が多数である。現在の日米関係については、日米ともに半数程度が良いと考え、日米同盟についてもお互いを信頼できる同盟国だと思っている人が多い。北朝鮮の核・ミサイル問題を脅威だとする認識は日米で共有していて、日米とも「話し合い」や「経済的圧力」など非軍事的な解決方法を望む人が半数を超える。
著者
河野 啓助 奥田 誠也 玉置 清志
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

細胞の分化増殖、発生、免疫に関与するTGF-βは、病的過剰状態において、組織の硬化や線維化に重要な役割を果たす.TGF-βの細胞内情報伝達分子Smadには、特異型(Smad2/3)、共有型(Smad4)、抑制型(Smad6/7)がある。特異型Smad系の標的遺伝子の特異的プロモーターであるSmad binding element(SBE)の下流域に、ルシフェラーゼ遺伝子を挿入した合成遺伝子(SBE-Lux)を用いて、次のような実験を行った。SBE-Luxを培養細胞に遺伝子導入し、TGF-βの濃度依存性にLux活性が上昇することを明らかにした。さらに、この活性は、TGF-βの中和抗体存在下はまったく抑制されることを示し、TGF-β特異的な反応であることを明らかにした。また培養細胞にSBE-Luxと同時に、Smad2やSmad7の遺伝子を同時に強制発現させた場合、TGF-βの刺激を伝えるSmad2の競合的異性体あるいは抑制型SmadであるSmad7を導入すると、その活性が抑制されることが明らかになった。また。TGF-βの産生・活性化を示すことが知られており、また糸球体硬化あるいは腎線維症の進展因子である、アンギオテンシンIIや高グルコース状態などの条件下でも、SBE-LUXの活性が上昇し、これらの刺激がTGF-Smad系を介することが示差された。ポピヨンヨードを腹腔内に投与したラットの腹膜硬化症モデルは腹膜の肥厚、癒着、線維化を示すものの、安定した再現性が得られず、今後、ポピヨンヨードの投与量や投与期間などの検討を行っていく。
著者
堤 梨恵 秋元 史恵 早川 裕子 後藤 由紀 榎 悦子 鈴木 昌子 河野 啓子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.115-120, 2001

本研究は精神健康調査の一部として得られた自由記載欄の内容を分析することによって具体的なストレッサーを把握し、また看護婦・士が考える対応策を明らかにすることを目的に行った。NIOSH (National Institute for Occupational Safety and Health:米国国立安全保健研究所)の職業性ストレスモデルを用いてT大学病院のストレッサーを分類すると、仕事のストレッサー(226件)、仕事外の要因(14件)、個人要因(148件)であり、仕事のストレッサーが最も多かった。ストレッサーの中では、長時間労働や休日労働の記載が多く、反対に看護技術に関する記載が少なかったことが特徴的であった。また、看護婦・士が考える対応策として、「ストレスを軽減するような病院のサポートシステム」(5件)や「ストレスを軽減するような病院環境」(5件)、「組織運営の改善」(4件)、「仕事に対する評価」(2件)があった。
著者
河野 啓子 松木 秀明 式守 晴子 松岡 昌子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-63, 2003
被引用文献数
1

東海大学健康科学研究科看護学専攻(修士課程)が開設され、3年を経た現在、より充実した大学院にするための見直しが必要と考えられた。その基礎資料を得るために、看護職の大学院への進学ニーズを明らかにすることを目的に本研究を行った。その結果、以下のことが明らかになった。1)大学院への進学希望者は「すぐに進学したい」は2.0%、「条件が整えば進学したい」は48.5%であり、両者をあわせると50%強であった。2)大学に対する要望としては、「研究指導日、講義日程が調整可能」、「通信教育」、「夜間開講」、「社会人特別選抜」、「土・日・祝日開講」など、働きながら就学できる条件が多くあげられた。3)大学院への進学において特に重要視する項目は、「カリキュラムの内容」、「入試科目」、「地理的条件」であった。