著者
篠崎 淳一 数馬 恒平 佐竹 元吉 近藤 一成 紺野 勝弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.134-140, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

自然毒,特に有毒植物の誤食による食中毒は症状が重篤なことが多く致死率が高いことが特徴である.そのため,原因植物の迅速かつ正確な同定が求められている.本研究では1989~2015年に厚生労働省に報告された植物による食中毒事例を調査した.植物由来食中毒の傾向を鑑みて,発生件数の多い4種(バイケイソウ類,チョウセンアサガオ類,トリカブトおよびスイセン)および死亡事例があるイヌサフランの迅速・簡便な同定法を構築した.PCR-RFLP法を利用した本法は電気泳動像において,有毒植物では2本,食用植物では1本のバンドを検出することで判定できる.また,本法は簡便な操作で,高価な機器を必要とせず,短時間に一義的な結果が得られる.また,調理した試料に対しても適用可能である.