著者
斉藤 康彦
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4(2009-CH-081), pp.25-32, 2009-01-16

歌集中に一定の回数以上出現する,一定の長さ以上の文字列を抽出し,これらの文字列に基づいて歌集を比較する分析方法を示す。古今和歌集と新古今和歌集の比較分析に本方法を適用した結果,抽出された文字列について,次のようなことが確認された。古今和歌集では,作者の心情を表出する表現が多く,恋歌の部立では,「こひもするかな」 「ひとのこころの」 がよく使われている。新古今和歌集では,自然の景物を指し示す表現が多く,特に秋や月に関わる 「あきかぜぞふく」 「あきのはつかぜ」 「あきのゆふぐれ」 「あきのよのつき」 「あきはきにけり」 「ありあけのつき」 「はるのよのつき」 などを含む歌は,歌集中の特定の箇所に集中して出現する。
著者
斉藤 康彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.25-32, 2009-01-16
参考文献数
6
被引用文献数
2

歌集中に一定の回数以上出現する,一定の長さ以上の文字列を抽出し,これらの文字列に基づいて歌集を比較する分析方法を示す.古今和歌集と新古今和歌集の比較分析に本方法を適用した結果,抽出された文字列について,次のようなことが確認された.古今和歌集では,作者の心情を表出する表現が多く,恋歌の部立では,「こひもするかな」「ひとのこころの」がよく使われている.新古今和歌集では,自然の景物を指し示す表現が多く,特に秋や月に関わる「あきかぜぞふく」「あきのはつかぜ」「あきのゆふぐれ」「あきのよのつき」「あきはきにけり」「ありあけのつき」「はるのよのつき」などを含む歌は,歌集中の特定の箇所に集中して出現する.