著者
蔡 東生 董 然 浅井 信吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-3, 2015-05-09

ヒルベルトーファン変換 (Hilbert-Huang Transform:HHT) は,経験的モード分解により,信号を複数の固有モード関数に分解し,ヒルベルト変換をかけ,時間周波数特性を分析する.時間周波数特性への鋭敏性は,フーリエ変換,ウエーブレット変換より遥かに鋭敏で,本報告では,多変量 HHT を用い,パヒューム,能楽,文楽などの動作を,ワルツ,ヒップホップ,サルサなどの踊りと比較する.
著者
関 慎太朗
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2021, no.5, pp.1-8, 2021-05-15

第126回 人文科学とコンピュータ研究会発表会 / 日時:2021年5月22日(土) / 会場:オンライン開催
著者
斉藤 康彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.25-32, 2009-01-16
参考文献数
6
被引用文献数
2

歌集中に一定の回数以上出現する,一定の長さ以上の文字列を抽出し,これらの文字列に基づいて歌集を比較する分析方法を示す.古今和歌集と新古今和歌集の比較分析に本方法を適用した結果,抽出された文字列について,次のようなことが確認された.古今和歌集では,作者の心情を表出する表現が多く,恋歌の部立では,「こひもするかな」「ひとのこころの」がよく使われている.新古今和歌集では,自然の景物を指し示す表現が多く,特に秋や月に関わる「あきかぜぞふく」「あきのはつかぜ」「あきのゆふぐれ」「あきのよのつき」「あきはきにけり」「ありあけのつき」「はるのよのつき」などを含む歌は,歌集中の特定の箇所に集中して出現する.
著者
上椙 英之 上椙 真之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1-2, 2014-07-26

砂岩製の石造遺物は風化が早く,日々剥落・摩耗で文字情報が失われている.本論文では,この砂岩製の石造遺物の風化傾向を踏まえた上で,文字情報の取得のための画像処理方法を検討した.
著者
阪田 真己子 八村 広三郎 丸茂 祐佳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.65-72, 2003-10-24
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究では,1名の演者が松本の7Motivesのキーワード「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」に対応する振りを演じた映像を刺激として評価実験を行った.刺激映像からどのようなイメージが感じ取られるかを調べ,さらにイメージに運動の型がどのような影響を及ぼすかを示す重回帰モデルの構築を試みた.主成分分析の結果,42語からなる松本のCheck List2から6つの成分が抽出され,日本舞踊独自の認知構造が提示された.また,重回帰分析の結果,それぞれの振りから感受される感性的イメージには,固有の運動の型が寄与していることが示唆された.
著者
宮本 圭太 阪田 真己子
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.D1-D8, 2009-05-23
参考文献数
10

本研究は,ストリートダンスの 1 ジャンルである Locking ダンスにおける優劣の評価が何から発生しているかを,身体動作解析・感性評価という 2 つのアプローチから探り出すことを目的としている.実験では,熟練度の違う 4 人のダンサーに踊ってもらった各 6 種類の Locking ダンスの基礎技をモーションキャプチャにより三次元動作解析を行うとともに,その動画を呈示刺激とした感性評価実験を実施した.本稿では評定者の経験差,ダンサーの熟練度,およびモーションキャプチャシステムによって得られたダンサーごとの身体動作情報に注目し,どういった要素がどのように評価に影響しているかについて検討した.The purpose of the current study is to investigate how the qualitative evaluation occurs while watching a Locking dance, a genre of street dance, by analyzing physical data and KANSEI evaluation. In the experiment, a video of four differently-skilled dancers performing six types of basic steps each were taken. Several dance experienced and non-experienced person saw and evaluated those videos by the questionnaire of the semantic differential method. In the current study, the investigation was made of difference between the experience of rating person, dancers' skill level, and the physical data obtained by using motion capture system.
著者
劉 冠偉 李 媛 池田 証壽
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-8, 2015-05-09

我々の研究室では,日本の平安時代 (中古) に編纂された漢字字書である 『篆隷万象名義』・『新撰字鏡』・『類聚名義抄』 を総合したデータベースを構築している.中国撰述の 『玉篇』 系字書のデータベースを独自に構築し,それを土台として,公開済みの 『説文解字』 や 『広韻』 データをも参照して,対象字書の本文入力と校正を進めている.これらのデータは漢字データが中心であり,和訓 (日本語) のデータが未整備である.平安時代漢字字書の和訓の同定の方法として,室町時代 (中世),江戸時代 (近世),明治時代 (近代) の漢和字書のデータを追加すれば,より効率的かつ正確に行うことができると考えられる.中世は 『和玉篇』,近世は 『増続大広益会玉篇大全』 (毛利貞斎),近代は 『大字典』 (上田萬年) を拡張の候補としている.この発表では,まず,平安時代漢字字書総合データベースの現状を述べ,次に,試みに拡張した 『大字典』 データベースの概要を報告する.
著者
森嶋 厚行 川島 隆徳 原田 隆史 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-4, 2015-05-09

近年,クラウドソーシングは問題解決の新しいアプローチとして注目を集めている.本講演では,クラウドソーシングの応用事例として,クラウドソーシングプラットフォーム Crowd4U を用いた NDL データ利用プロジェクトについて説明する.Crowd4U は,非営利・公益・学術目的のクラウドソーシングプラットフォームであり,公益と学術のタスクが稼働している.Crowd4U は大学によって開発が行われており,プロジェクトの要望に応じて様々な機能追加が日々行われている.L-Crowd プロジェクトは,Crowd4U 上で NDL データを用いて行われているプロジェクトの一つであり,ISBN による書誌同定における誤り (書誌誤同定) の判定をマイクロタスクで行おうというものである.本講演では,本事例の紹介を通じて,クラウドソーシングを利用した公益・学術プロジェクトの可能性を議論したい.
著者
王 一凡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-4, 2015-05-09

大正新脩大蔵経所収 『一切経音義』 は,活字本でありながら多様な差異を有する膨大な異体字群を内包している.当資料を適切にデジタル化・UCS 符号化するためには,活字の異同を検討したうえで用字に関する体系的な理解を得る必要があるが,総字数 100 万字超,異なり活字約 3 万種と推定される本文を直接点検しながら,一貫性のある分析を行うことは困難である.したがって,活字の集計を省力化する手段が求められる.本報告では,オープンソースライブラリ OpenCV による自動処理を適用することでこれを実現する試みを紹介し,もって特定分野への汎用ライブラリの応用の可能性を提示する.
著者
橋本 雄太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.11, pp.1-4, 2015-05-09

ここ数年の急激な普及によって,スマートフォンやタブレットなどの高機能モバイルデバイスは多くの人間にとって 「もっとも身近なコンピューター」 となった.これに伴って,デジタルアーカイブで公開されている歴史資料を,スマートフォンやタブレット上で閲覧するための環境を求める声が強くなっている.一方で,現在稼働しているデジタルアーカイブの大多数はデスクトップ PC 上での利用を想定して設計されており,そこで公開されている資料をモバイルデバイス上で快適に閲覧する上では様々な技術的障壁が存在する.筆者は,国立国会図書館の運営する 『近代デジタルライブラリー』 の閲覧用モバイル・アプリケーション 『近デジリーダー』 を開発・公開しており,こうした技術的問題の解決に取り組んできた.本稿では,『近デジリーダー』 の主要機能と使用技術を紹介するとともに,モバイルデバイス上で歴史資料画像を閲覧する環境を構築するために筆者が利用した諸技術について解説する.
著者
世利 彰規
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.6, pp.1-5, 2015-05-09

本発表ではロシア語で書かれたソーシャルメディアを用いた言説分析の経過を報告する.今回は,ツイッターを資料として用いる.まず先行する電子化されたロシア語の言語資料について紹介する.次にツイッターからデータを取得する上で使用した API やツールについて説明する.さらにロシア語を分析する上での,ロシア語の文法に関わる固有の問題について述べる.最終的に 「日本」 というキーワードで検索して取得したツイートを数量や共起頻度などの角度から分析し,ツイッターを使用するロシア人がもっている日本についてのイメージを取り出すことを目指す.
著者
安岡 孝一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-05-09

「パソコンのキーボードのキーの配列が不自然だと思ったことはありませんか」 から始まる読売新聞記事 (2015年3月2日) に反論を試みた.記事のごく一部は訂正されたものの,反論の大部分は徒労に終わり,「連続して打つ頻度の高い文字を遠ざける並び方に変えた」 というガセネタが,再々流布される結果となった.このような局面において,人文情報学に何ができるのか,問題提起と考察を試みる.
著者
北? 勇帆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-6, 2015-05-09

洒落本は,近世期に刊行された小説の一形態であり,近世日本語の口語資料としての有用性が高い.この洒落本には,書名や話の粗筋を同一にしながら,江戸板・上方板で内容や語彙に異同のある作品が存在する.上方で刊行されたものが後に江戸で改作された 『月花余情』 組と,江戸で刊行されたものが後に上方で刊行された 『郭中奇譚』 組である.本稿ではそのような江戸・上方間で改作が行われた洒落本のテキストを TEI P5 に準拠してマークアップすることにより,当時の東西言語の比較資料として用いることができる対照コーパスを構築した.
著者
田中 僚 松村 敦 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-2, 2015-05-09

近年,様々なデジタルアーカイブが増加している.しかしながら,ほとんどのデジタルアーカイブは利用者が原資料の構造を理解できるように構築されていない.利用者はフォンド,サブフォンド,シリーズ,ファイルを個別ではなく文脈の中でとらえることではじめて,原資料の構造を理解する.本研究では原資料の構造を反映したデジタルアーカイブを構築し,資料ページへのアクセスを制限した.これにより,利用者は構造の順にのみアクセスすることになる.その結果,利用者は原資料の構造を文脈として理解することが可能になった.
著者
土山 玄 村上 征勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-01-18

本研究では,古典文学作品として著名な 『源氏物語』 と 『宇津保物語』 を分析対象とし,文の長さの分布を計量的に分析することで,両作品の各巻が作品別に分類されるのか検討を加えた.このような分析を行う背景に,欧米では古くは 19 世紀から文の長さを分析項目として,書き手の識別や同定を目的とした研究が行われていたが,その一方で,日本語で記述された文献については未だ十分に研究されていないことによる.本研究における分析の結果,文の長さの分布は日本語の文献においても,書き手の相違に起因すると考えられる文体的相違が認められた.
著者
逢坂 雄美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.78, pp.1-8, 1994-09-16

我々は,マッキントッシュを使って,中期インド・アリアン言(プラークリット語)で書かれた聖典の計算機解析の為の以下のツールを開発した.(1)ローマ字化テキスト作成に適したフォント体系の構築;(2)デーヴァナーガリー文字で書かれたテキストをローマ字に書換:既に5冊の最重要なテキストの書き換えを終了した;(3)聖典の韻律解析プログラムの作成;(4)単語の索引・逆引き索引と詩脚の索引・逆引き索引作成プログラムの開発;(5)文法解析プログラム作成.現在,この言語は,大量のテキストデータを検討・比較しなければならない研究状況にある.上記の計算機ツールは,この分野の研究を飛躍的に進展させるものと思われる.
著者
坊農 豊彦 長井 壽満 橋本 信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.76, pp.15-21, 2005-07-29
参考文献数
6

万能薬はないが、セキュリティの必要性はこれまで以上に重要である。一定の一貫したセキュリティへの取り組みだけが、幅広い種類のサイバー攻撃でもたらされた損害を、減少させる手助けとなり得る。この論文では、安全保障リスク管理について、その人的側面に焦点を合わせる。危険は、技術的な対策だけでは危険を回避することはできないからである。また能動的でも、その検出システムを設置するだけでは安全保障問題の解決にはならない。私たちは、システムを担当しているすべての人々を教育する必要がある。それら該当者は、システムセキュリティの重要性を理解しているあらゆる層からエンドューザのレベルまで含む。