著者
田村 俊太郎 小林 真 斉藤 康行 朝倉 智之 臼田 滋
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.621-627, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
29

〔目的〕転倒・転落アセスメントシートを妥当性と簡便さを備えた評価へと改訂すること.〔対象と方法〕1309人の入院患者を対象とした.転落アセスメントシートと転倒の有無からリスク因子の抽出と重みづけを行い,改訂転倒・転落スコアを算出し,その予測精度求めた.改訂スコアに対しては潜在ランクによる危険度の分類を行った.〔結果〕転倒の因子は39項目から7項目となった.予測精度は従来のスコアが感度88.5%,特異度43.0%,Area under the curve(AUC)0.700であり改訂スコアが感度65.6%,特異度71.0%,AUC 0.718であり潜在ランクごとの転倒数には有意差が認められた.〔結語〕改訂スコアによる転倒予測と,潜在ランク理論による危険度の分類は妥当である.