著者
斉藤 忠資
出版者
広島大学総合科学部
雑誌
広島大学総合科学部紀要. III, 人間文化研究 (ISSN:09187782)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-15, 2003

通常の物質世界では、我々は時間と空間によって制約されている。時間は過去・現在・未来に分離され、我々は過去と未来に行くことは出来ない。また空間は距離によって分離されているので、ここにいると同時に別の場所にいることは出来ない。しかし、量子の世界には時間と空間による分離が存在しないことが現代物理学によって確証されている。一方臨死体験でも、この世界の時間と空間の制約から解放された自由な世界を垣間見たという体験例が報告されている。そこで時間と空間の分離を超える意識という視点から、両者の関連を考察してみたい。