著者
新井 雅隆 斉藤 正浩
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ディーゼル機関から排出される粒子状物質(すす)を除去するために,すすの捕集と燃焼を繰り返すことで連続処理を可能とした電界式すす除去装置(E-DPF)を新たに開発した.この装置の特徴として,E-DPF内に電極を兼ねたステンレス製の多孔板が層状に配置されており,交流電界(0〜260V)あるいは直流電界(0〜350V)を電極間に印加した.E-DPF装置の基本的性能を調べるために,ディーゼル排ガスの模擬ガスとしてアセチレン火炎から発生するすすを用いて実験を行った.その結果,すすは電極を兼ねた多孔板を通過する際に,電界の作用により帯電し,分極したすす粒子が多孔板に付着して電界方向に粒子のブリッジを形成することがわかった.そのブリッジ状すすの捕集量と電極間の電流には相関があり,印加電圧が低い領域では比例関係となるが,印加電圧を高めてブリッジ状すすが再燃焼する領域では,多孔板間のブリッジが局所的に切断されて電流値の増大が抑えられる.ブリッジ状すすの生長速度は電界強度が比較的低い約50kV/mで最大となるが,すすが再燃焼するには至らなかった.また,電界強度が100kV/m以上になるとブリッジ状すすが火花放電あるいは直接通電によるジュール熱ですすの再燃焼が生じ,本実験範囲では150kV/m付近において,すすの再燃焼効率が約30%で最も高くなることがわかった.さらに,電界強度が200kV/m以上では,ブリッジ状のすすの成長が強度の火花放電によって抑制され,これがすすの捕集効率を下げることにつながり,結果として再燃焼効率は低下した.
著者
斉藤 正浩 小山 裕介 日下部 岱
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26

誘導無線方式による車両位置検察について,筆者らは三相3練式誘導線を用いる方式を提案し,位置検知の特性解析を行い報告した.さらに,新交通システム等の車両位置を長距離に渡って高精度に検知する方式への適用を目的に,誘導線の交差周期長を変化させたときの位置検知特性について解析を行った.本稿では,誘導線の交差周期長を変化させた場合について,実寸による模擬実験装置により,位置検知の実験結果を得たので,理論特性との比較を示し考察する.