著者
山口 一太郎 斎藤 建夫 塚田 章 川原田 淳 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.46, pp.33-40, 1997-05-17
参考文献数
7

レーザ組織血流計は無侵襲で簡便に末梢循環状態を連続モニタする機器として広く使用されている.しかし,体動の影響を受け易く,測定範囲・深度が局所に限定され,定量性の面においても問題を残している.本研究では,近赤外レーザ光を用いて局所的な組織血流量を定量的に測定する方法に関する基礎的検討として,まず生体組織に対するモデルとして血液,肝臓,ミルクに近赤外レーザ光を照射しモデル内で散乱したレーザ光の光量分布について検討を行った.次に静脈圧迫等により測定部の血液量を変化させたときに生じる生体内の吸光度変化から組織中のヘモグロビン量を求める装置を試作し,これに定量的組織血流計測に利用されているラバーストレインゲージプレチスモグラフィーや水素クリアランス組織血流計を組み合わせて,簡便に実効光路長を求める方法の可能性について検討した.