著者
石倉 慎也 塚田 章 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.98, pp.1-8, 2000-05-19

運動の開始あるいはそのイメージがヒト成人の自発呼吸位相に与える影響を位相遷移曲線(PTC)を用いて調べた。鉄アレイなしであるいは1から3kgの鉄アレイ(負荷)をもって腕を振り上げたとき、被験者Bは負荷の如何に関わらず1型のPTCを、一方CとDの被験者は0型のPTCを示した。被験者AのPTCは負荷がない場合1型であったが、負荷がかかると0型に変化した。CとDは腕の振り上げをイメージするだけでも0型のPTCを示した。しかし、被験者が自ら能動的に腕を振り上げるのではなく、実験者が被験者の腕をもって振り上げた場合にはCとDのPTCは1型であった。運動として歩行を用いた場合にも同様の結果が得られた。これらの結果は、被験者によっては運動開始のプログラムやそれに基づく遠心性情報情報が呼吸リズムに影響することを示す。
著者
鎌谷 尚広 中島 一樹 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.57, pp.45-48, 2011-05-13

我々は独居高齢者のTV利用状態(TVOS)を遠隔モニタリングするシステムを開発してきた.既開発システムでは,TVOS変化を検出するセンサと,インターネットに接続されたPCを使用した.既開発システムではTVOS変化の情報をEメールとして送信していた.しかし,既開発システムには実地試験において二つの問題があった.一つ目はシステムの設置場所に制限があること,二つ目はPCのOSの更新作業が必要であることである.本研究では,これらの問題を解決するために無線センサシステムを開発した.無線センサシステムを2週間試行した結果,既開発システムと同じTVOSの情報が取得できた.
著者
松井 宏行 中島 一樹 佐々木 和男
出版者
社団法人日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.117-125, 2008-02-10
被引用文献数
8

In an aging society, an increase is seen in the number of elderly person living alone. As the incidence of disease and injury increases with aging, a family who lives apart from an elderly parent may be concerned about that person's safety. Conversely, an aging parent may be interested in the lives of their children who live apart from them. To improve the relationship between family members who share such a situation, we have developed an inexpensive telemonitoring system using the television's operating state (TVOS). The system is comprised of sensor and communication sections. The sensor section consists of a current sensor for a television (TV) and an infrared sensor for a remote controller (RC), and outputs the TVOS, i.e., outputs indicating whether the TV is on or off and the RC is used. The communication section consists of a set of power-line communications modems and a computer with an Internet connection. We installed such a system in both an elderly person's home and that of his family living at a distant location. The computer at the family's end requires the TVOS data from the computer at the elderly person's end to be transmitted via the Internet once per minute. A feasibility test, conducted over one year, was performed in two pairs of parent-child families, four families, living apart. The results showed that (1) differences in the TVOS pattern was obtained by each family, and (2) the TVOS pattern differed between business days and non-business days in the same family. The present system does not specifically describe the health condition of an elderly parent living alone, but if that individual's family is familiar with the parent's viewing habits, they would be able to identify any change that might indicate a need for assistance.
著者
山口 一太郎 斎藤 建夫 塚田 章 川原田 淳 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.46, pp.33-40, 1997-05-17
参考文献数
7

レーザ組織血流計は無侵襲で簡便に末梢循環状態を連続モニタする機器として広く使用されている.しかし,体動の影響を受け易く,測定範囲・深度が局所に限定され,定量性の面においても問題を残している.本研究では,近赤外レーザ光を用いて局所的な組織血流量を定量的に測定する方法に関する基礎的検討として,まず生体組織に対するモデルとして血液,肝臓,ミルクに近赤外レーザ光を照射しモデル内で散乱したレーザ光の光量分布について検討を行った.次に静脈圧迫等により測定部の血液量を変化させたときに生じる生体内の吸光度変化から組織中のヘモグロビン量を求める装置を試作し,これに定量的組織血流計測に利用されているラバーストレインゲージプレチスモグラフィーや水素クリアランス組織血流計を組み合わせて,簡便に実効光路長を求める方法の可能性について検討した.
著者
中島 一樹 南部 雅幸 辻 美和 秋廣 みどり 東 祐二 藤元 登四郎 田村 俊世 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.81, pp.59-64, 2003-05-16

看護学校学生(36名)、民間病院の医療従事者(30名)および民間病院の外来患者とその家族(28名)に対し、コンピュータシステムの利用に関する意識調査を行った。さらに60歳から70歳までの高齢者に対して延べ20回の絵文字パスワードと数字の組み合わせによる暗証番号とによりログインの試行を行い、認証の成功率、および使用感の聞き取り調査を行った。これらの結果、数値よりも絵文字によるパスワードの成功率が高かったが、数値入力の方がわかりやすいとの意見が聞かれた。また、若年者と高齢者の双方で同等のパスワードの成功率が得られた。絵文字を個人に関係のある写真に変更した場合、パスワードとしての成功率は向上したが、他人によるなりすましも容易であることが確認された。
著者
高橋 純 山西 潤一 佐々木 和男
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.127-134, 2003-09-20
被引用文献数
8

高齢者がWebページを利用する機会が増え,加齢により低下する視覚機能に対応し,アクセシビリティの高いWebページづくりが求められている.そこで,文字色や背景色の組み合わせによる文字配色や文字サイズについて,若年者,高齢者,高齢者のうち白内障患者を想定した群を対象に調査をし,見やすい配色,文字サイズを検討した.その結果,高齢者にも配慮した文字表示には,陽画表示が望ましく,輝度コントラスト比が5:1以上になる背景色と文字色の組み合わせを使うことや,文字サイズを10pt以上にする必要があるといった指標を得た.