著者
新井 民江 蒔本 亜紀 工藤 祐子 木下 伸 伊藤 壮平 外 須美夫
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.349-351, 2002-08-31

高血圧以外には全身的に問題のない69歳の女性に,硬膜外局所麻酔下で婦人科手術が予定された。硬膜外カテーテル留置後,aspiration testは陰性であったが,初回の局所麻酔薬投与後に,急激な頻脈,血圧上昇とともに意識消失発作が出現した。局所麻酔薬中毒を疑い,ベンゾジアゼビンを少量投与し,セボフルランによる全身麻酔へ切り替えた。手術は問題なく終了し,明らかな後遺症なく帰棟した。その後の血中濃度の結果から局所麻酔中毒と診断した。原因と対処を含めて考察した。