著者
植松 光俊 新垣 盛宏 梶原 史恵 酒井 美園 大森 圭貢 森岡 周
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.201-206, 2005-06-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
3

障害を持った人の運動, 動作分析や評価のプロフェッショナルである理学療法士(PT)にとって, 日常生活動作のあらゆる動作について自立度判定を的確にできる能力を有していることは必要最低限の資質というべきである。自立度判定というと「ある動作について自立, 監視, 介助レベルの動作方法を特定し, 各段階での介助度, 条件および適応環境条件(使用する介助支持用具や福祉機器等の提示)を評価する」とある。しかし, 今回のワークショップでは, 「歩行自立」に限定して明らかにするための判定要因, 基準および手順を明確にすることに拘ることにした。歩行自立度序説 1. 歩行自立度判定の必要性 1)なぜ自立判定が必要か? 自立している動作, 自立可能な方法, 自立できる生活範囲をできるだけ正確に早期に把握し, その情報を生活に密着したリハビリチームスタッフである看護, 介護職に提供し, 実際に「自立生活」を日常的に取り入れることができると, 患者さんが理学療法(以下, PT)場面だけで得られる動作量よりはるかにその動作機会は多くなり, そのことによる全身調整能力, 他の体力指標の改善効果は大きいといえる。