著者
三雲 真理子 新川 典子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.106-106, 2013

我々が話者に抱く印象は、話者の表情や声の調子などから大きく影響を受けることが知られている。本研究では、接客場面の第一声として発せられる「いらっしゃいませ」には、活き活きとしてかつ丁重な要素が含まれる必要があること、そこに笑顔が伴うことが活き活きした丁重な印象をより強めることが示唆された。 活き活きとした印象に関しては、高い女声の場合は活き活きとした印象を形成しやすい一方、高い男声の場合は表情の影響を受けやすく、平常顔でも活き活きとした印象を低下させるという結果が得られた。 丁重さの印象に関しては、男声も女声も表情の影響を受けやすく、不機嫌な表情は音声の高低に関わらず丁重さを著しく低下させることが示唆された。また低い女声の場合、平常顔でも丁重な印象を低下させる一方、低い男声の場合、平常顔のときは、音声のみの場合より丁重な印象が増加するという結果が得られた。