著者
新庄 永治 奥脇 弘次 土居 英男 望月 祐志 古石 誉之 福澤 薫 米持 悦生
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.172-179, 2018 (Released:2018-12-26)
参考文献数
27
被引用文献数
6

ドラッグ・デリバリー・システムにおけるナノ微粒子設計の効率化のために,分子シミュレーションによる物性予測や原子分解能のメカニズム解明が望まれている.本研究では,散逸粒子動力学 (DPD) 法とX線小角散乱を用いて,脂質二重膜および混合脂質のベシクル形成の分子メカニズムを明らかにすることを目的として検討を行った.DPDシミュレーションに用いる相互作用パラメータは,フラグメント分子軌道 (FMO) 法を用いて高精度に算定した(FMO-DPD法).脂質二重膜形成の結果から,飽和結合のみをもつリン脂質 (DPPC) よりも不飽和結合をもつリン脂質 (DOPC) の方が,膜流動性が高いことが分かった.さらに,リン脂質と正電荷脂質を混合したベシクルの形成では,正電荷脂質の比率が増えるにつれて膜の流動性が高くなり,球から扁平球へと形状が変化することが明らかとなった.
著者
新庄 永治 奥脇 弘次 土居 英男 望月 祐志 古石 誉之 福澤 薫 米持 悦生
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2018-0012, (Released:2018-09-12)
参考文献数
27
被引用文献数
6

ドラッグ・デリバリー・システムにおけるナノ微粒子設計の効率化のために,分子シミュレーションによる物性予測や原子分解能のメカニズム解明が望まれている.本研究では,散逸粒子動力学 (DPD) 法とX線小角散乱を用いて,脂質二重膜および混合脂質のベシクル形成の分子メカニズムを明らかにすることを目的として検討を行った.DPDシミュレーションに用いる相互作用パラメータは,フラグメント分子軌道 (FMO) 法を用いて高精度に算定した(FMO-DPD法).脂質二重膜形成の結果から,飽和結合のみをもつリン脂質 (DPPC) よりも不飽和結合をもつリン脂質 (DOPC) の方が,膜流動性が高いことが分かった.さらに,リン脂質と正電荷脂質を混合したベシクルの形成では,正電荷脂質の比率が増えるにつれて膜の流動性が高くなり,球から扁平球へと形状が変化することが明らかとなった.