著者
西田 健次 田中 敏雄 新田 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.76, pp.161-166, 1997-08-20
参考文献数
4

人間の記憶は、次々と新しい事例を記憶し、それを失うことなく類似の事例をまとめて概念化していくことができる。そして、頻繁に利用される記憶は想起しやすくなるなどの優れた機能を持っている。また、人間の記憶には、嬉しかった事悲しかった事など、何らかの感情を伴った事例は記憶されやすいという特徴がある。本稿では、感情の記憶における働きに着目し、感情を記憶に対する制御信号と捉えた感情記憶システムを提案する。感情記憶システムでは、感情の活性化により記憶事例の獲得や記憶の概念化が実現でき、学習により頻繁にアクセスされる記憶は想起しやすくなるなど、人間の記憶機能をうまく再現できる。In this paper we propose a memory system which employs emotion as a control signal for memory. This Emotional Memory system can learn concepts without losing memory instances, and frequently accessed memories become easily associated.