著者
日下志 厳 磯貝 典孝
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

自家移植を目的とする耳介軟骨の再生実験として、自家膝関節(犬)より採取した軟骨細胞を単離し、耳介形状を有する生分解性ポリマーに播種した。実験群として、4群(軟骨細胞のみを播種した群、骨膜組織のみを縫合した群、軟骨細胞を播種した後、骨膜を付加した群、基材のみの群)を作成し、自家移植およびヌードマウス皮下へ移植した。その結果、ヌードマウス移植後11週目において、耳介形状を有する複合体の外観形態を観察したところ、耳介形態は、全ての群において保持されていた。また、組織学的検討を加えた結果、軟骨細胞群および軟骨細胞滑膜群において、分化した小円形の軟骨細胞とSafranin Oに強く染色された細胞外基質が認めれた。一方、骨膜群では、基材の骨膜側に沿って骨組熾の形成が認めれた。また、基材のみの群では、わずかなマクロファージ様細胞の浸潤は認めたが、軟骨、骨絹織などの新生組織の形成は認められなかった。Laser capture assisted PCR法の結果より、コラーゲンII型の遺伝子発現は軟骨細胞群および軟骨細胞/骨膜群のみに認めれ、特に、軟骨細胞/骨膜群では発現がdown regulationされる傾向を認めた。今後、自家移植モデルにおける長期的観察の結果を検討している。