- 著者
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大曲 希実
安田 みどり
日野 まど香
大渡 瞳
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.68, 2014 (Released:2014-07-10)
目的 一年草の水草であるヒシは、アジア地域に広く自生している。ヒシの実は、食用として食されるだけでなく、昔から婦人病などの民間薬や漢方薬としても用いられてきた。我々はヒシの実の外皮の有効利用を目的として、外皮に含まれるポリフェノール成分に注目し、その化学的特性や生理機能性について調べた。方法 乾燥、粉砕した佐賀県神埼市産のワビシ(Trapa japonica)の外皮を60%アセトンにて抽出し、カラムクロマトグラフィーにて分取し、ポリフェノール画分をさらにHPLCにより分取・精製を行った。得られたポリフェノールをLC/MSおよびNMRにて測定し、ポリフェノールを同定した。これらのポリフェノールについて、温度、pHに対する安定性を調べた。さらに、生理機能性として、抗酸化作用、糖質分解酵素の阻害作用について調べた。結果 ヒシ外皮のポリフェノールを分取・精製し、主要な3つのポリフェノールを得た。これらは、加水分解型のポリフェノールで、eugeniin、1,2,3,6-tetra-O-galloyl-β-D-glucopyranose、trapainと同定した。温度に対しては、trapainが熱に弱いことが明らかになったが、その他については熱に強いことが明らかになった。また、pHについては、pH8以上では、酸化されるため、不安定になることがわかった。さらに、3つのポリフェノールは、高い抗酸化性を有し、糖質分解酵素の阻害作用を示した。