著者
太田 さつき 久保田 貴之 高城 佳那 漁田 武雄 日隈 美代子
雑誌
環境と経営 : 静岡産業大学論集 = Environment and management : journal of Shizuoka Sangyo University
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.95-108, 2020-06-01

WEB調査会社モニタ会員の20歳代の大卒総合職を対象に調査を行い、昇進意欲および昇進意欲に関係すると思われる要因の男女差を調べた。目指す役職については、明確な男女差がみられ、女性は男性よりも上位の役職を希望していなかった。女性は男性より管理職に必要と思われる能力への自信が低く、自信に繋がる職務経験が少ない傾向にあった。組織の女性活躍推進や男女均等の施策を高く知覚するほど、自信に繋がる職務経験をするほど、男女ともに上位の役職を目指していた。女性においては、能力への自信と目指す役職との間に明確な正の関係がみられた。
著者
日隈 美代子 漁田 武雄
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-11, 2015
被引用文献数
1

三つの実験によって,主観的新旧反応率によるキャリブレーション曲線と,名義的新旧反応率によるキャリブレーション曲線と比較することにより,意味情報と感覚情報が再認の正確さと確信度評定の関係に与える影響を調べた.これらの実験において,学生(<i>n</i>=273)は単語の意図学習を行い,その後,再認テストと自身の再認判断に対する確信度を評定した.意味情報のキャリブレーション曲線に対する影響を調べるため,新旧の項目の紛らわしさを変化させた.実験1(視覚)と2(聴覚)は,学習と再認の提示を,同一の感覚モダリティで行った.実験3は,聴覚提示による学習と,視覚提示による再認テストを行った.名義的反応率の分析は,先行研究の結果と同様に,意味的な紛らわしさが影響し,新項目は傾きが小さい,もしくは右下がりのキャリブレーション曲線を示した.対照的に,意味情報か感覚情報のどちらかが再認判断に使用可能であれば,主観的反応率の分析では正のキャリブレーション曲線になった.本研究の結果は,再認判断での主観的反応率での分析の重要性を示している.