著者
早舩 嘉博 塩本 公平 井上 一郎 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.31-36, 2006-11-09

Internet Protocol (IP)による通信インフラは、サービスの多様化を促し、現時点では想像しえないキラーサービスが登場する可能性を秘めており、今後の通信ネットワークには、キラーサービスの登場に伴う想定外のトラヒック変動に対応する能力が求められるであろう。また、通信ネットワークが社会インフラとしての重要性を増すにつれ、想定外の故障・災害に対しても、能力の低下を極力抑える仕組みが通信ネットワークに求められると想定している。我々は、通信ネットワークとして、ルータと伝送装置から構成される光レイヤとIPレイヤのマルチレイヤバックボーンネットワーク(マルチレイヤ網)を対象とし、自動収集したトラヒック情報を基に、ルータと伝送装置を連携させてトラヒック制御するマルチレイヤ網運用制御システムを試作し、ネットワーク状態の急激な変化に対応した運用制御の基本動作の実証実験を行った。本稿では、我々が試作したマルチレイヤ網運用制御システムおよびそれを用いた所内実験について述べる。