著者
内藤 郁之 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.28, pp.15-19, 2014-05-15

ネットワークを集中的に制御するOpenFlowプロトコルは,制御のためのOpenFlowコントローラと制御を受けるOpenFlowスイッチで構成される.OpenFlowの動作は,OpenFlowコントローラからのフロー処理のルールを参照することで,OpenFlowスイッチで実行される.一方,コントローラ型と呼ばれる無線LANコントローラを利用した無線LANアクセスポイントの管理は,無線LANコントローラから,さまざまな設定を無線LANアクセスポイントに行うことで,無線LANアクセスポイントの制御を行う.しかし,無線LANコントローラには,拡張性がないため,機能の制限がある.無線LANコントローラをOpenFlowコントローラとして実装し,無線LANアクセスポイントをOpnFlowスイッチとして動作させることで,拡張性のある無線LANコントローラとして提案する.
著者
早舩 嘉博 塩本 公平 井上 一郎 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.31-36, 2006-11-09

Internet Protocol (IP)による通信インフラは、サービスの多様化を促し、現時点では想像しえないキラーサービスが登場する可能性を秘めており、今後の通信ネットワークには、キラーサービスの登場に伴う想定外のトラヒック変動に対応する能力が求められるであろう。また、通信ネットワークが社会インフラとしての重要性を増すにつれ、想定外の故障・災害に対しても、能力の低下を極力抑える仕組みが通信ネットワークに求められると想定している。我々は、通信ネットワークとして、ルータと伝送装置から構成される光レイヤとIPレイヤのマルチレイヤバックボーンネットワーク(マルチレイヤ網)を対象とし、自動収集したトラヒック情報を基に、ルータと伝送装置を連携させてトラヒック制御するマルチレイヤ網運用制御システムを試作し、ネットワーク状態の急激な変化に対応した運用制御の基本動作の実証実験を行った。本稿では、我々が試作したマルチレイヤ網運用制御システムおよびそれを用いた所内実験について述べる。
著者
山中 直明 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.566, pp.1-6, 1999-01-28

ユーザのPCの蓄積能力が大幅に向上し、ディジタルビデオのコンテンツを配信するプッシュ型サービスが中心となった次世代ネットワークのアーキテクチャを提案した。コンテンツの識別子(コンテンツID)をユーザが網内の各ノードに定義し、各ノードは配下にこのコンテンツを転送すべきか否かでフィルタリングする(テーブルルックアップ)。転送は、すべてシェアードメディア型のブロードキャストセレクションで行い、各網リソースは、一時的には1つのコンテンツをフルスピードで転送するために占有されるバースト転送型のネットワークを提案する。
著者
平尾 明子 竹下 秀俊 岡本 聡 大木 英司 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.2, pp.99-109, 2014-02-01

ネットワークのトラヒック量の増大に伴い,ネットワークの消費電力量が急増し,消費電力の削減が急務となっている.また,ネットワークのリソースを有効に活用するために多対多接続サービス実現への要求が増加している.本論文では,ネットワーク中のトラヒックを特定リンクに集約することで,空となった未使用リンクをスリープ状態にし,ネットワーク全体の消費電力を削減するMiDORiネットワーク技術における多対多対応ルーチング手法としてSuperPosed Minimum Spanning Tree (SPMST)アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは,多対多接続MiDORiネットワークにおける要求条件である,高い省電力性実現,20秒以内での100ノード以上かつ,1000マルチキャストグループ以上対応の計算実行を満たす.計算機シミュレーションにより,提案するアルゴリズムの省電力性・計算時間・マルチキャストグループ収容数の有効性を示すとともに,MiDORiネットワークのプロトタイプシステムにおける提案アルゴリズムの有効性を検証した.
著者
佐藤 丈博 樋口 雄紀 竹下 秀俊 岡本 聡 山中 直明 大木 英司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.7, pp.474-485, 2014-07-01

インターネットやモバイルネットワークにおけるトラヒック量は近年急激な増加を見せており,伝送容量拡大によるネットワーク機器の消費電力増大が問題となっている.そこで,複数のネットワークサービスを単一物理網上で提供し,トラヒック収容効率の向上及び省電力化を実現する次世代光メトロ・アクセス融合型ネットワーク「エラスティック光アグリゲーションネットワーク(EλAN)」が提案されている.EλANでは局側装置であるOLTがプログラマビリティをもち,論理OLTを異なる物理OLT間や局舎間で自由にマイグレーションすることが可能になる.本論文では,EλANの省電力化を目的とした論理OLTのマイグレーション手法を提案する.具体的には,稼働する物理OLT数が最小となる論理OLTの配置,及びその配置に至るマイグレーション手順を得ることを目的とした最適化問題を線形計画問題としてモデル化し,物理OLTのスリープ率及びマイグレーションの実行回数について性能評価を行った結果を述べる.また,EλANのプロトタイプシステム上で行った論理OLTのマイグレーションの基本動作の確認について報告する.
著者
米津 遥 石井 大介 岡本 聡 大木 英司 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1323-1331, 2011-10-01

近年,インターネットの普及に伴いトラヒック量及びネットワークの消費電力が増加していることにより,ネットワークの省電力化が重要な課題となっている.そこで,ネットワーク内のトラヒックを特定リンク上に集約し,未使用リンクの電源を落とすことによって省電力化を実現するMiDORiが提案されている.MiDORiネットワークでは,一定時間ごとにトラヒック量に応じて物理トポロジーの最適化を行うために,実用的な省電力トポロジーの計算手法が必要となる.そこで本論文では,元のトポロジーから一定数のリンクを削減するごとに,ネットワーク性能を維持可能なトポロジーを局所最適解として選択することで,省電力トポロジーを導出可能な計算手法を提案する.また,トラヒック集約により,1リンク当りのトラヒック負荷が高い省電力ネットワークにおける障害回復方式として,protection方式及びrestration方式を提案する.計算機シミュレーションにより,提案する省電力トポロジー計算手法の省電力効果・計算時間における有効性を示し,二つの障害回復方式を比較検討する.最後に,自律的なトポロジー最適化を可能とするMiDORiネットワークのプロトタイプシステムを紹介する.
著者
ペルサー クリステル 武田 知典 大木 英司 塩本 公平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.404, pp.25-30, 2007-12-13

サービスプロバイダ網では,外部宛先の経路はiBGPセッションにより配布される.従来,網内ではiBGPセッションをフルメッシュで設定する必要があった.現在では,Route Reflector (RR)を利用する方法が一般的である.この方法では,サービスプロバイダ網で設定されるiBGPセッション数の観点でスケーラビリティに優れる.しかしながら,RRは網内での経路冗長性に悪影響を与えることが指摘されている.これは,障害時に代替経路を迅速に利用できない可能性があることを意味し,深刻な問題となる.本稿では,RRを利用するサービスプロバイダ網における経路冗長化を検討する.具体的には,経路冗長化を改善するiBGPセッショントポロジーの設計アルゴリズムを提案する.初期トポロジーが与えれていることを前提に,提案アルゴリズムは,ドメイン内のいくつかの境界ルータに対して,いくつかのiBGPセッションの追加を提示する.このような境界ルータは冗長性を欠く経路について,多数の外部経路を受け取っている.シミュレーションにより提案の有効性を確認する。まず,結果として得られるトポロジーでは,各BGPルータは,各宛先に到達できる2つの経路を保持する.これは,宛先への到達性を複数のAS境界ルータで受信している限り,保証される.そうでない宛先については,iBGPトポロジーの設計に関わらず,冗長性を実現できない.次に,この目的を達成するために必要なiBGPセッション数は,フルメッシュに比べ大幅に少なくなる.