- 著者
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青木 俊明
星 光平
佐藤 崇
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 土木学会論文集D (ISSN:18806058)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.1, pp.43-53, 2006
本研究では集団状況における協力意向の形成機構を検討した.私的利益,手続き的公正,同調圧力を操作した心理実験の結果,以下の知見および示唆を得た.1)集団状況では,私的利益感,同調圧力感が重要な態度形成要因であること.2)同調圧力を作用させた実験参加者の約1割が公的受容を伴う同調で態度を形成していた.3)私的受容による同調と合わせると,4割強の実験参加者が同調圧力の影響を受けて態度を形成していた.4)私的受容と公的受容の分岐要因は,同調圧力感,私的利益感,手続き的公正感と推察される.5)同調を示す場合,私的利益感と手続き的公正感が低く,同調圧力感が高い場合には公的受容が促され,私的利益感と手続き的公正感が高く,同調圧力感がさほど高くない場合には私的受容が促されることが示唆された.