著者
星野 孝治
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-4, 1976-12-20

高知沖の深海(水深約4350m)から採集された尋常海綿2個体について固定の結果Axinella profunda RlDLEY et DENDYとした。本種は南北両太平洋の深海域から報告されていたものである。本邦よりは,谷田(1961)が来島海峡で得た海綿を本種の変種Axinella profunda var. kurushima TANITAとして報告している。本種は樹波状になった体の中央に針状体よりなる密な軸をもち,さらにその軸から針状体がまわりに射出している。骨片は針状体のみで大きさは615-1660×8-28μ。針状体は頭部に小さな棘を有する。この棘は小さい骨片では顕著であるが,大きい骨片には少ないし無いこともある。
著者
星野 孝治
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.29-38, 1974-12

1973年11月27日から1974年4月18日まで,第15次南極観測行動中の「ふじ」の航路に沿って.192地点で表面海水中のクロロフィルa量を測定した.クロロフィルa量は南極海で一番多く,次いで南東大西洋,セレベス海,マカッサル海峡が多く,インド洋,西太平洋,南シナ海では少なかった.また,マラジョージナヤソ連基地沖のクロロフィルa量は,南極海の中でもずばぬけて多かった.クロロフィルa量の水平分布は細部では異なる点もあるが,過去4回の観測結果とだいたい一致している.