著者
菅並 秀樹 竹ヶ原 俊幸 田辺 逸雄 星野 良春 渡辺 馨 佐々木 文善 河合 直樹 氏原 淳一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1388-1397, 1989-12-20
被引用文献数
1

ハイビジョンの音声信号を, MUSE信号の垂直帰線期間にベースバンド多重して伝送する方式を開発した.この方式においては, 音声信号の伝送容量が現行テレビ衛星放送の65%程度に制約されるため, 音声信号の符号化方式として準瞬時圧伸差分PCMを採用し信号の圧縮を行った.本符号化法による一般の番組音の音質評価実験を行った結果, 現行テレビ衛星放送のAモード, Bモードに比べほとんど遜色のない音質が得られることが確認された.また, 差分PCMの符号化, 復号化時に不完全積分を行うことで, 伝送中に生じた符号誤りによる音質劣化の改善を行った.この圧縮音声信号に, 音声以外のデータや訂正符号を付加し, 伝送レートが1.35Mb/sの多重化信号を構成する.これまでに, 本方式を用いたハイビジョンの衛星伝送実験を繰り返し実施し, いずれも良好な結果を得ている.
著者
渡辺 馨 竹ケ原 俊幸 菅並 秀樹 小泉 悟 渋谷 一彦 星野 良春
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1740-1749, 1990-12-20

NHKがHDTV地上放送用に開発したADTVシステムは, (1)NTSC Compatible MUSE-6(NCM6), (2)NTSC Compatible MUSE-9(NCM9), (3)Narrow MUSEの3種類がある.このうちNCM6とNCM9はNTSC信号と両立性のあるシステムである.NCM6システムは, 2チャネルのディジタル音声伝送が行え, 音声符号化はDANCE符号化を用いる, NCM9システムは, 4チャネルのディジタル音声伝送または2チャネルの高品質ディジタル音声伝送が行える.高品質音声はDANCE符号化信号に量子化精度の改善信号と帯域の拡張信号を加えて実現する.これらの音声データを時間軸圧縮して, 映像信号の水平ブランキングへ時分割多重して伝送する.