著者
櫻井 快勢 河合 直樹 北岡 伸也 小林 秀章
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2015-CVIM-195, no.9, pp.1-6, 2015-01-15

本研究では,食品のおいしそうな印象を意味する 「シズル感」 に注目し,シズル感のある画像の生成法を模索する.まず,画像の印象は,画像中の色の分布に影響することが知られていることから,シズル感も色の分布に依存すると仮定する.シズル感の感度と色の分布を定量的に示す画像統計量を知覚実験にて評価する.結果,仮説は棄却され,感度は画像統計量には依存しないことが明らかになる.次に,光沢が感度に影響する可能性があるため,画像に光沢を付与し,評価する.光沢の付与は,画像に存在する鏡面反射成分を強調することで達成する.結果,光沢を付与できた画像で,シズル感の向上を確認する.全ての知覚実験は,被験者に強制選択法にて 「りんご」 と 「ご飯」,「ステーキ」 の 3 画像群に対して最もシズル感を知覚する画像を選択させる.
著者
廣津 伸夫 長谷川 貴大 税所 優 村手 純子 池松 秀之 岩城 紀男 河合 直樹 柏木 征三郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.117-125, 2014-01-20 (Released:2016-09-27)
参考文献数
15

発熱疾患の鑑別には末梢血検査が行われ,細菌感染においてその診断および治療効果の判定に有用な手段となっているが,ウイルス感染においてはその検討は少なく,明確な見解はない.このたび,2004/05 年度から2009/10 年度に至る発熱疾患に対するルーチンの末梢血検査(白血球数とその分画およびCRP)の蓄積を後ろ向きに検討した結果,季節性インフルエンザA 型(H3N2 及びH1N1 を含む,以下季節性A 型)614 例と2009/10 年のパンデミックインフルエンザ(H1N1)2009(以下,A/H1N1/pdm09)548 例の述べ1,162 例からインフルエンザの特徴的な所見が示され両者の違いも明らかとなった. 検討に当たっては,白血球とその分画は年齢により異なるため,全症例を一般化加法モデル(GAM,generalized additive model)を用いて年齢調整を行い,解析を実施した.インフルエンザの感染初期には顆粒球の増加,リンパ球の減少が確認され,その後顆粒球は減少,リンパ球は増加に転じることが観察された.顆粒球数では,季節性A 型に対してA/H1N1/pdm09 は,治療開始前は0.93 倍,治療後は0.82 倍とそれぞれで統計的に有意に低く推移していた.リンパ球数の比率は,治療開始前,治療後のいずれも,1.12~1.30 倍であり,統計的に有意に高い推移であった.CRP は発症後24 時間から36 時間にピークを迎え,その平均値はA/H1N1/pdm09 で0.88mg/dL,季節性A 型で1.53mg/dL であった. 末梢血は疾病の時間的経過,合併症の併発,治療による修飾,治療薬の副次作用等によって変動する.このようなインフルエンザ本来の末梢血の白血球分画の変化・動態を知ることは,診断時(特に迅速診断の要否の判断),経過中の合併症や副作用の出現を把握するために重要と考え報告する.
著者
河合 直樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.586-593, 2000-03-15

木目模様は最も代表的なテクスチャの1つであり,コンピュータグラフィクスによるソリッドテクスチャ生成技法も種々報告されている.従来の技法では木目の年輪模様の再現に注力されてきたが,年輪以外の微細組織の表現や繊維の流れに関する研究は少なく,得られる質感は十分ではなかった.本論文では樹木の内部構造に着目し,木理と呼ばれる樹木内部の繊維配向性をモデル化する.代表的な木理のパターンと一般的な木理の記述手法を示した後,レンダリング時に必要な局所的な座標変換に基づいたモデルを示す.次に微細組織の例として道管と呼ばれる鉛直な組織について,代表的なパターンのモデリング技法を示し,呈示した座標変換を作用させて表示することで,木理のモデルの妥当性を検証する.続いて微細組織の簡易的な表現として提案されている明度シフト法を,年輪構造と微細繊維組織を一元的に記述する手法として一般化し,木理による座標変換を作用させることにより,樹木構造の合理的な記述手法を提案する.最後に繊維の勾配に依存する鏡面反射モデルを導入し,木理の影響で材面に現れる光源と視点に依存する反射現象をシミュレーションする.これらの手法を導入することで,従来法よりもリアルな質感表現が可能になり,CG映像や産業デザインにおいて有用な品質高いソリッドテクスチャを生成することが可能な技法を示すことができた.
著者
河合 直樹 八ツ塚 一郎
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
集団力学 (ISSN:21872872)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.206-221, 2013-12-28 (Released:2013-09-02)
参考文献数
8

数学教育に携わる複数の関係者にインタビュー調査を実施し、言説体としての数学教科書の特徴を検討した。多くの関係者が努力を重ねているにもかかわらず、現行の数学教科書は、結果として学習者を数学から遠ざけ数学嫌いにしている可能性が示唆された。 高校教師に対するインタビューでは、教科書という言説体の位置づけが現状では中途半端で、現場の教師にとって使いにくいものとなっており、場合によっては不必要ですらあることが示 された。いわゆる成績上位の学校の場合、授業で使用されてはいるものの、教科書は最小限の情報しか含んでおらず、教師による補足が不可欠である。また、授業にあたっては問題集を使用することに力点が置かれ、教科書の比重は小さい。一方、いわゆる低学力校では、授業にあたって教科書は使い物にならず、学習者にとって不可解かつ無用の長物となっている。教師は授業にあたって、教科書の内容に相当の補足を行い、さらに教材を工夫するなど、多くの努力を強いられている。教科書は形骸化しており、無意味な存在となっていると言ってもよい。 現行教科書の整理された内容には評価もある一方、その課題を指摘する声は多い。教科書の内容は、数学的にみて不自然であり、学習者の思考のあり方からも乖離している。学習者の陥りがちな誤りに寄り添って思考を導くところがなく、数学を学ぶ意義や、数学の楽しさを見出しにくくなっているのが現状である。 教科書会社の編集者に対するインタビューでは、こうした指摘に理解が示される一方、そのために工夫をこらすと採用されにくくなるという矛盾した状況が示された。現場の教師は、指導しやすく受験勉強にも役立つ教科書を求める傾向があり、指導に工夫の必要な教科書は敬遠されがちな状況がある。 現行教科書は、いわば「数学らしきもの」を学習者に提示しているだけであり、その結果として「数学嫌い」を増やしている可能性がある。このような構造について考察するとともに、自由度が高く、学習する内容の意味を理解できる新しい教科書の条件を検討した。
著者
河合 直樹 八ツ塚 一郎
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
集団力学 (ISSN:21872872)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.223-249, 2013-12-28 (Released:2013-09-02)
参考文献数
18

本論文では、高校数学教科書に対する言説分析を通して、現行教科書そのものが数学嫌いを構造的に産出している可能性を指摘する。数学離れをめぐる議論は、学習者や教師の責任、または制度・政策の問題に縮減されがちである。それに対し、「教科書」という道具に着目し、現行教科書の批判的検討を通して数学教育の構造的陥穽を明らかにすることが本論文の目的である。 本論文の構成は下記の通りである。まず、教科書の言説に内在する問題を摘出するため、以下の3つの観点から分析を実施した。第1 に、教科書の目次配列を検討し、数学的には同じ系統に属するはずの多くの項目が、異なる複数の巻に散在している事実を指摘した。数学知が断片化し、数学としての体系性や学習目的が見えにくいという現行教科書の特徴が浮上した。第 2 に、教科書に記載されている練習問題等の設問を検討し、多くの問題が、直前に示された模 範解答への追従を学習者に求めていることを明らかにした。現行の高校数学課程は、教育者側の提示する枠組みを踏襲させることのみによって学習者の学びを達成させる教育システムとなっていることが示された。第3 に、本文の「語り口」に着目して、特異な教科書として知られる三省堂版の教科書と現行教科書とを比較分析した。その結果、学習者に主体的な判断を求める問いかけや、数学のダイナミックな展開を物語る呼びかけが、現行教科書では限りなく乏しいことが明らかとなった。 以上の分析を踏まえて、数学離れが現行の教科書システムに対する自然な適応の産物である可能性を、正統的周辺参加論を援用しつつ考察した。あわせて、学習者が目的的かつ主体的に数学学習に参入するための教科書を構想した。
著者
菅並 秀樹 竹ヶ原 俊幸 田辺 逸雄 星野 良春 渡辺 馨 佐々木 文善 河合 直樹 氏原 淳一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1388-1397, 1989-12-20
被引用文献数
1

ハイビジョンの音声信号を, MUSE信号の垂直帰線期間にベースバンド多重して伝送する方式を開発した.この方式においては, 音声信号の伝送容量が現行テレビ衛星放送の65%程度に制約されるため, 音声信号の符号化方式として準瞬時圧伸差分PCMを採用し信号の圧縮を行った.本符号化法による一般の番組音の音質評価実験を行った結果, 現行テレビ衛星放送のAモード, Bモードに比べほとんど遜色のない音質が得られることが確認された.また, 差分PCMの符号化, 復号化時に不完全積分を行うことで, 伝送中に生じた符号誤りによる音質劣化の改善を行った.この圧縮音声信号に, 音声以外のデータや訂正符号を付加し, 伝送レートが1.35Mb/sの多重化信号を構成する.これまでに, 本方式を用いたハイビジョンの衛星伝送実験を繰り返し実施し, いずれも良好な結果を得ている.
著者
田中 美苗 河合 直樹 近藤 孝夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s61-s64, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
7

360°ビューモーフィングは、ひとつの空間の中の2地点で撮影したパノラマ写真を合成してVR空間を生成する技術である。この技術では、2つの撮影地点間をウォークスルーするように移動したり、任意の地点で立ち止まって周囲を見回したりするような没入感の高い体験がWebブラウザ上で可能である。パノラマ写真2枚から生成可能なため、制作負荷が低く、手軽に空間をアーカイブすることができる。本発表では、この技術の概要と歴史的建造物や展覧会での使用事例を紹介すると共に空間アーカイブの意義と課題についても触れる。
著者
河合 直樹 池松 秀之
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.102-107, 2018-12

昨シーズンはB型の大流行や、シーズン途中でA亜型の流行が変化するなど、予想外の展開を見せた。今冬はオセルタミビルを取り巻く環境変化や、3月に発売された新薬バロキサビルにより、治療戦略が大きく変わる。
著者
河合 直樹 池松 秀之 柏木 征三郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.137-139, 2009-01

抗インフルエンザ薬として、1998年にアマンタジン塩酸塩(商品名シンメトレルなど)がA型に、2001年にノイラミニダーゼ阻害薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)とザナミビル水和物(リレンザ)がA型またはB型に保険適用となり、インフルエンザ治療は一変した。その後、日本では抗インフルエンザ薬はオセルタミビル一辺倒という時期があったが、06/07年シーズン途中から異常行動との…
著者
河合 直樹 永田 素彦
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
集団力学
巻号頁・発行日
vol.33, pp.25-48, 2016

<p><tt> 本研究は,東日本大震災(</tt>2011 <tt>年)の被災地で開催している「書道教室」が,被災住民の内発的復興を促す可能性を,アクションリサーチを通じて検討したものである。書道教室は、被災地の一つである岩手県野田村において,</tt>2012 <tt>年</tt>10 <tt>月からほぼ毎月開催してきた。この実践の大きな特徴は,活動のなかで「復興」という目的を明示しないという点にある。第一著者は,講師役としてこの書道教室を主宰し,参加者および関係者の言動を参与観察した。</tt> <tt><br> 書道教室は,これまで交流のなかった多様な住民が集う新たな共同体となった。すなわち,参加者は,主体的に書道を楽しむだけでなく,それをとおして新たな人間関係を構築した。このことは,書道教室が,生活の立て直しに追われるばかりだった住民にとっての貴重な機会となったことを示唆している。</tt> <tt><br> そのうえで,正統的周辺参加論(レイヴ&ウェンガー</tt>, 1993/1991<tt>)の観点から,書道教室が「復興といわない復興支援」として被災地の内発的復興を促す可能性を論じた。具体的には,次の</tt>3 <tt>点を考察した。(</tt>1<tt>)既存の復興支援活動は,復興を強調することによって「受援者」という受動的な役割を被災者に獲得させてしまう傾向があった;(</tt>2<tt>)それに対して書道教室は,被災者が主体性を取り戻すための新たな共同体として機能した;(</tt>3<tt>)その共同体では,「復興」や「受援者」を強調する支配的な言説に対して,住民が主体的に物事に取り組む姿勢を喚起する新たな言説が創出された。</tt></p>
著者
櫻井 快勢 河合 直樹 北岡 伸也 小林 秀章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-6, 2015-01-15

本研究では,食品のおいしそうな印象を意味する 「シズル感」 に注目し,シズル感のある画像の生成法を模索する.まず,画像の印象は,画像中の色の分布に影響することが知られていることから,シズル感も色の分布に依存すると仮定する.シズル感の感度と色の分布を定量的に示す画像統計量を知覚実験にて評価する.結果,仮説は棄却され,感度は画像統計量には依存しないことが明らかになる.次に,光沢が感度に影響する可能性があるため,画像に光沢を付与し,評価する.光沢の付与は,画像に存在する鏡面反射成分を強調することで達成する.結果,光沢を付与できた画像で,シズル感の向上を確認する.全ての知覚実験は,被験者に強制選択法にて 「りんご」 と 「ご飯」,「ステーキ」 の 3 画像群に対して最もシズル感を知覚する画像を選択させる.
著者
高木 正則 河合 直樹 大信田 侑里 鈴木 雅実 木村 寛明
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.70-82, 2018-02-20

協調学習では,複数のグループが同時並行で学習を進めるため,教員が各グループの学習の進捗を把握するのは困難である.そのため,教員は各グループで行われた話し合いの内容や,学習課題の達成に対する各学習者の貢献度を把握することは難しい.本研究では,協調学習における各学生の学習課題の成果に対する貢献度の可視化を目的とし,協調学習時の発話に含まれる特性語の出現頻度に基づいた貢献度推定手法を提案した.実際の授業で記録した協調学習時の音声データから本提案手法により推定した貢献度と,協調学習の様子を撮影した映像を教員が閲覧して評価した貢献度の相関係数を分析し,本手法で推定された貢献度の妥当性を検証した.その結果,本提案手法で推定された貢献度は,教員が評価した貢献度の約半数と一致しており,中程度の相関があることが確認された.また,本提案手法は音声認識の精度が低くても,貢献度の推定精度が低くならないことが示され,学生1人1人の発話を正確に記録・認識することが困難な協調学習の場面で有効に活用できることが期待できる.
著者
河合 直樹 窪田 由紀 河野 荘子
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-12, 2016-09-27 (Released:2017-03-22)
参考文献数
34

社会的養護にある児童の高校進学率が年々高まっているなか,高校中退率を見てみると,一般家庭よりも社会的養護出身者のほうが高く,とりわけ,児童自立支援施設退所者に至っては,全国的に調査されたデータはなく,その要因についてほとんど研究がなされていない。そこで本研究では,児童自立支援施設退所後,高校進学した者の社会適応過程について,複線径路・等至性モデルを用いて質的に分析した。調査協力者4名へのインタビューから作成したTEM図をもとに分析を行った結果,高校を卒業した者と中退した者とでは,(1)高校へ入学した初期の段階で,部活へ入るなどの新しい活動の場=自分の居場所を見いだせること,(2)授業でわからないことがあったときに友人や教師に助けを求められること,(3)担任教師に対する信頼感があることが,高校を継続していくために重要な要因であることがわかった。
著者
河合 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.586-593, 2000-03-15
被引用文献数
3

木目模様は最も代表的なテクスチャの1つであり,コンピュータグラフィクスによるソリッドテクスチャ生成技法も種々報告されている.従来の技法では木目の年輪模様の再現に注力されてきたが,年輪以外の微細組織の表現や繊維の流れに関する研究は少なく,得られる質感は十分ではなかった.本論文では樹木の内部構造に着目し,木理と呼ばれる樹木内部の繊維配向性をモデル化する.代表的な木理のパターンと一般的な木理の記述手法を示した後,レンダリング時に必要な局所的な座標変換に基づいたモデルを示す.次に微細組織の例として道管と呼ばれる鉛直な組織について,代表的なパターンのモデリング技法を示し,呈示した座標変換を作用させて表示することで,木理のモデルの妥当性を検証する.続いて微細組織の簡易的な表現として提案されている明度シフト法を,年輪構造と微細繊維組織を一元的に記述する手法として一般化し,木理による座標変換を作用させることにより,樹木構造の合理的な記述手法を提案する.最後に繊維の勾配に依存する鏡面反射モデルを導入し,木理の影響で材面に現れる光源と視点に依存する反射現象をシミュレーションする.これらの手法を導入することで,従来法よりもリアルな質感表現が可能になり,CG映像や産業デザインにおいて有用な品質高いソリッドテクスチャを生成することが可能な技法を示すことができた.Wooden grain is one of the most representative of textures. However the solid textures of wooden grain are not enough to represent the reality of a material because of their lack of microstructures and fiber stream, with the exception of annual rings. In this paper, a geometric model is proposed for wooden grain and fiber stream by concentrating on the internal structures of wood. Representative features of wooden grain are described and geometric transformations for rendering are introduced. Geometric models of vessels are given as examples of typical microstructures. Then the effect of modeled grain is verified by calculating the image of the vessels on lumber. The shifting brightness technique is also extended as an easy way to express microscopic fibers. It is integrated technique for expressing all the vertical structures including the annual rings. Finally a specular reflection model which depends on the gradient of fibers is introduced. Then cross grain, which is an anisotropic reflection caused by varied fiber gradients, is simulated. This new procedure can generate more realistic wooden textures than before. This procedure makes it possible to provide high-quality solid textures which are useful for CG production and industrial designs.