著者
中尾 尚史 森屋 圭浩 榎本 武雄 星隈 順一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_317-I_328, 2015
被引用文献数
1

本論文は,岩手県宮古市の閉伊川の河口付近に架かる宮古橋付近での津波の状況を基に,その津波に対して宮古橋の上部構造が流出しなかったメカニズムを明らかにすることを目的として,周辺で撮影されていた画像の分析及び数値解析により検討を行った.その結果,宮古橋付近には波先端の水位勾配が非常に小さな波が発生し,その波が徐々に上昇することで宮古橋に作用したことがわかった.また,数値解析からは,津波が上部構造に作用した直後に,床版張出部底面,津波作用側の耳桁,および桁間に生じる圧力により,水平方向の力および鉛直方向の力が最大になるが,それらの力は上部構造を流出させるに必要な値以下であったことがわかった.
著者
川島 一彦 星隈 順一 長屋 和宏 Macrae Gregory A.
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.501, pp.183-192, 1994
被引用文献数
5

構造物が大規模地震を受けて非線形域の応答を生じた場合には, 構造物には残留変位が生じる. したがって, 構造物に許すじん性率をあまり大きくすると, 地震後に構造物には大きな残留変位が生じ, 復旧不能となる. 本研究は, バイリニア型復元力特性を有する各種の固有周期, じん性率を有する1自由度系に生じる残留変位から残留変位応答スペクトルを提案し, この特性を検討するとともに, 提案値に基づいて鉄筋コンクリート橋脚に予想される残留変位を検討したものである.