著者
春田 裕子 上田 典子 加藤 健 辻 秀一 吉岡 俊満
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.135-141, 2009 (Released:2014-03-15)
参考文献数
41
被引用文献数
1

牛乳由来のスフィンゴミエリン(以下,SPM)高含有素材を経口摂取した場合の皮膚への効果を検証した。健康な日常生活を営む男女25名を対象に,SPM 高含有素材(330 mg/日,SPM 22 mg/日)のプラセボを対照にした 6 週間の二重盲検摂取試験を実施した。摂取 3 週目,摂取 6 週目および摂取終了 2 週間後に皮膚の水分量,水分蒸散量および油分量を測定した。その結果,SPM摂取群においてプラセボ群に対して左眼下部の水分量が有意に高値を示し,油分量は高値を示す傾向であった。また,自覚症状のアンケート調査では,SPM 摂取群において皮膚の「つや」および「はり」に改善が認められた。以上のことから,SPM 高含有素材は皮膚の健康を維持する上で有効な食品であることが示唆された。