著者
篠田 陽理子 矢ヶ部 仁之 曲谷 一成 簗島 謙次 佐藤 令介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.291, pp.15-22, 1995-10-13
参考文献数
8
被引用文献数
7

我々は視覚障害者が他者の介助を受けることなく、自律的に目的地に到達することを支援する自動ナビゲーションシステムの開発を目的としている。このシステムでは被験者のいる位置を正確に求める必要がある。本稿では、このために開発したDGPS(Differential Global Positioning System)、万歩計、地磁気センサ等よりなる位置推定手法についての報告を行う。
著者
曲谷 一成
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

視覚障害者が介助者なしで自由に歩行することができるような支援機器の開発が本研究の目的である。このために以下に示す3つの装置の開発を行った。1.DGPSを利用し、視覚障害者の位置を計測し、その位置情報と地図情報により目的地までの道案内を行う誘導装置。2.赤外線を利用した標識により場所の案内や道案内を行う屋内施設用道案内装置3.施設内の床に目的地までの経路に沿って貼られた色テープを検出し、これを視覚障害者にしらせることにより目的地までの誘導を行うインテリジェント白杖。1.はカーナビゲーションシステムのようにDGPSにて利用者の位置を調べ、地図データベースを参照することにより目的地までの道案内を行う装置である。現在までに小型ノートコンピュータ、DGPS装置、および自立測位装置よりなるハードウェアの開発が終了している。ソフトウェアについては道の安全を考慮した最適経路算出手法、地図データベースおよび音声誘導システムについて開発を行った。現在、健常者を対象とした実験を行っており、この結果を踏まえたシステムのブラッシュアップが今後の課題である。2.は屋内施設の天井に取り付けられた赤外線標識と、利用者が携帯するその受信機とからなり、赤外線標識の発信する位置情報により、音声を用いた場所および道案内を行おうとする装置である。ハードウェアを構成し、視覚障害者を被験者として誘導実験を行った。その結果白杖の使用に習熟している利用者には有効であるが、そうでない利用者は手掛かりのない場所で真っ直ぐ歩けないため必ずしも有効に機能しないことが確認された。この問題を解決するため誘導経路をトレースすることが可能な3.のインテリジェント白杖の開発を行った。この研究では病院等で使用されている誘導ラインに注目した。ここで誘導ラインとは赤、青、黄色等に色分けされ床に貼られたラインで、特定の色のラインを辿って行くことにより目的地に到達できるようなものである。開発した白杖は先端に取り付けたカラーセンサにより誘導ラインの色を識別し、目的の色のラインの上に白杖がくると、バイブレータが振動し、そのことを利用者に知らせる。アイマスクにより全盲状態にした健常者を被験者として実験を行ったが、被験者全員が目的地に到達でき、本システムの有効性が確認された。
著者
生井 邦明 曲谷 一成 簗島 謙次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.75-80, 1997-01-25
被引用文献数
1

我々は, GPSを用いた視覚障害者ナビゲーションシステムを使用する事が出来ない地下街等の場所を対象としたナビゲーションシステムの開発を目標に研究を行っている. ナビゲーションシステムの具体的構成としては, 構造物内部に適当な間隔で設置した光ビーコンを用いての絶対位置取得, 既知の地図情報を用いてのマップマッチング処理と最適誘導経路算出, 音声認識・音声合成装置を用いた入出力インターフェースの利用等がある. 今回は, 我々が開発しているシステムについての概要を述べると共に, システムに於いて標識として使用するオプティカル・ビーコンの試作を行ったのでこれについて報告を行う.