著者
平山 和哉 有原 裕貴 対馬 栄輝 近江 洋一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.31-36, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
16

腰椎牽引療法によって効果を実感している患者の特徴を明らかにすることを目的として,横断的にアンケート調査を行った。対象は,当院において腰椎疾患の診断を受け,腰椎牽引を実施している51名である。アンケート内容は症状の詳細と牽引効果の実感についてとした。統計解析は,従属変数を牽引効果の実感,独立変数を症状の詳細および電子カルテから抽出した性別,年齢,診断名,画像所見,併用治療の有無として多重ロジスティック回帰分析を実施した。当院における牽引療法の対象者は高齢者,かつ長期通院者が多かった。対象者の72.5%が牽引による効果を実感していた。牽引による効果を実感することに関連する因子として,腰の重苦しさがある,運動療法の併用あり,罹患椎間数,年齢の4項目が選択された。今後前向き研究を行う際には,運動療法の併用や画像所見についても考慮すべきことが示唆された。