著者
有山 大地 安藤 大地 串山 久美子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1729-1740, 2020-11-15

エレキギターの音作りは一般的にアナログのアンプ,エフェクタなどを用いて行われ,その組合せは膨大な数にのぼり,演奏者やエンジニアが求めている音色を得るために大きな労力を必要とする.たとえば,憧れのギタリストの音色を再現したいという場合,まず同一の機材の入手,加えてステージセッティングの画像などからエフェクタのつまみの位置を推測する必要があり,手動での再現のプロセスは困難なものである.そこで音色再現の問題を解決するため,ユーザが所持している1つのソフトウェアエフェクタのみを用いて,ユーザが目標とする音になるべく近い音作りができることを目標として,エフェクタの複数のパラメータを機械学習により探索する手法の開発を行った.本研究は現在までにギターエフェクトの1つである「歪み系エフェクト」を中心に,開発したシステムによって再現された音色について調査・実験を行い,再現度の評価において一定の成果を得た.また,本研究で開発した手法がエレキギター音色の再現において有効であることを確認した.