著者
有田 守 青木 伸一 片岡 三枝子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.201-205, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
9

インレットの固定化という大規模な土木工事によりエスチャリーの環境が長期的にどのように変化してきたのかを詳細に調べ, 物理環境の変化と生態系の応答の因果関係を明らかにすることは, 人為的な環境インパクトの影響を検証する上で重要である. 本研究では浜名湖を対象に, 物理環境のうち最も重要な要素であると思われる潮汐に着目し, 湖の潮汐応答特性とその経年変化を明らかにするとともに, 潮汐による外洋と湖との海水交換特性の変化について検討した. その結果, インレットの固定化工事は浜名湖の長期的な環境をもたらしていることが明らかになった.
著者
宇野 宏司 柿谷 茂貴 辻本 剛三 柿木 哲哉 出口 一郎 有田 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地球環境シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.35-40, 2008

淡路島南西部に位置する吹上浜を対象に, 過去36年間の航空写真を用いて, 砂浜面積および護岸から汀線までの距離の経年変化を把握した. また, 飛砂・漂砂を考える上で重要となる吹上浜周辺の風特性について把握するため, 気象庁の風向風速データを整理し, それを用いた日飛砂量の推算を行った. その結果, 吹上浜においては過去36年間にわたり, 砂浜面積, 護岸からの汀線距離ともに動的に安定した砂浜であると判断された. また, 現地の平均風速は概ね3m/s程度であり, この程度の風では粒径0.1mm程度の飛砂しか起こりえない. 一方, 台風接近や冬季風浪により10m/s以上の風が出現することもわかった. さらに, 月別平均風速および出現風向特性を考慮した飛砂量計算では, 春季から夏季にかけて南から北方向, 冬季は西から東方向への飛砂が卓越することが明らかにされた.