著者
元満 民生 山根 宏 服部 光男 徳田 正満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.461-470, 1995-06-25
参考文献数
6

雷サージが原因で生じる符号誤りには,通信装置に設置されている避雷器の動作によって引き起こされる符号誤りと回線の不平衡によって心線間に現われる雷サージが伝送信号に重畳されることによって引き起こされる符号誤りがある.本論文では,この二つの符号誤りを考慮し,シミュレーションで符号誤りを推定・評価する方法を提案した.そして,本提案法を用いてAMI符号ディジタル伝送方式の加入者端末装置における雷サージによる1雷雨当りの平均符号誤りを求めた.その結果,避雷器動作が原因で発生する符号誤りは避雷器の動作電圧の-1.8乗に,心線間雷サージによって引き起こされる符号誤りはしきい値レベルの-1.8乗にそれぞれ比例することがわかった.そして,雷発現時の符号誤りは,ディジタル伝送システム固有の符号誤りに比べてかなり大きくなる可能性があることを明らかにした.更に,シミュレーションに用いるサンプル数と推定誤差の関係についても検討を行い,妥当なサンプル(標本)数は50〜100個であることを明らかにした.