著者
望月 弘彦
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.1137-1141, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

身体計測は簡便で非侵襲的かつ経済的であるため、在宅における栄養評価に適している。身長と体重の測定が基本となるが、立位が取れない場合には工夫が必要となり、他の指標を用いた推定式が用いられることがある。脂肪量の推定にはTSFやSSF、脂肪量+筋肉量の推定にはAC、筋肉量の推定にはAMCやAMA、CCが用いられる。CCはBMIとの相関が認められており、BMIが不明な場合は代わりにCCを用いている栄養スクリーニングツールもある。握力は筋組織を機能的に評価しており、最近ではサルコペニアの診断基準の一つとして注目されている。
著者
望月 弘彦
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.1183-1191, 2014 (Released:2014-10-20)
参考文献数
15

病態が安定しており、在宅復帰によってQOLの改善が見込め、患者や家族が希望していることが HPN導入の前提となる。保険診療上の適応は「医師が必要と認めた場合」であるが、より生理的な経口・経消化管から栄養投与が十分にできないことが絶対条件となる。HPNの合併症としてカテーテルに関連した感染症、カテーテルやポートの閉塞、静脈血栓、血糖や水・電解質異常、肝機能障害などに注意が必要である。アクセスデバイスにはブロッビアック/ヒックマンカテーテルや CVポート、通常の CVカテーテルや PICCカテーテルがあり、予想される HPN施行期間や患者の活動性、余命などを考慮して選択する。在宅への移行にあたっては、十分な患者・家族指導とともに輸液製剤を提供する調剤薬局も含めた在宅担当者との緊密な連携が欠かせない。さらには地域包括ケア病床などのポスト急性期、医療療養病床などの慢性期病院も活用したネットワーク造り:地域一体型 NSTの構築が望まれる。