著者
望月 愛 河瀬 諭 川口 明日香
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.89-89, 2010

本研究の目的は、テレビコマーシャルで用いられている音楽が商品の認知に与える影響について検討することである。そのために、本研究では、実際にテレビコマーシャルで使用された曲を用いて、そこから商品名を想起する実験を行った。実験参加者は大学生22人(ほとんどが音楽専攻生)、使用した曲は22曲、商品は全て同一ジャンルのものとした。実験は集団聴取実験であり、実験参加者は刺激曲を聴取した後、択一式でその音楽が使用されていたと思う商品を選択した。実験の結果、正しく想起されやすい商品と楽曲の属性には関連が見られた。さらに、各実験参加者の正解数は、テレビコマーシャルに対する視聴行動に影響を受けることが示唆された。また、特定の音楽において、イメージの類似した商品間で間違いが多かった。本研究は、広告認知のみならず、音環境によって記憶が想起されるメカニズムを解明する上でも示唆に富むものである。