- 著者
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宮本 紫織
石井 卓也
白石 泰郎
望月 美菜子
井上 智
四宮 博人
- 出版者
- 公益社団法人 日本水道協会
- 雑誌
- 水道協会雑誌 (ISSN:03710785)
- 巻号頁・発行日
- vol.89, no.1, pp.2-12, 2020
水道水中ハロ酢酸類9種(水道水質基準項目:3物質、要検討項目:6物質)について、前処理を必要としない直接注入- LC/MS/MS による一斉分析法を検討した。ハロ酢酸類2μg/L に高濃度マトリックス(塩化物イオン:177mg/L、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオン、炭酸イオン:100mg/L、硝酸イオン:100mgN/L)をそれぞれ添加し回収率を求めた結果、9種すべてのハロ酢酸類で71~118%の回収率が得られた。また、標準液の溶媒としてtert -ブチルメチルエーテル、メタノール、エタノール及び精製水を用いて長期保存試験を実施した結果、メタノールはメチル化、エタノールはエチル化が進み、ハロ酢酸類原体の濃度が減少した。この濃度低下は、保存温度が高く、さらには混合標準液とすることで顕著であった。ハロ酢酸類は、メタノール溶液(-20℃)保存においてもメチル化反応が進むため、標準溶液に用いる溶媒はtert -ブチルメチルエーテルが最適であることを確認した。