著者
宮本 紫織 石井 卓也 白石 泰郎 望月 美菜子 井上 智 四宮 博人
出版者
公益社団法人 日本水道協会
雑誌
水道協会雑誌 (ISSN:03710785)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.2-12, 2020

水道水中ハロ酢酸類9種(水道水質基準項目:3物質、要検討項目:6物質)について、前処理を必要としない直接注入- LC/MS/MS による一斉分析法を検討した。ハロ酢酸類2μg/L に高濃度マトリックス(塩化物イオン:177mg/L、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、硫酸イオン、炭酸イオン:100mg/L、硝酸イオン:100mgN/L)をそれぞれ添加し回収率を求めた結果、9種すべてのハロ酢酸類で71~118%の回収率が得られた。また、標準液の溶媒としてtert -ブチルメチルエーテル、メタノール、エタノール及び精製水を用いて長期保存試験を実施した結果、メタノールはメチル化、エタノールはエチル化が進み、ハロ酢酸類原体の濃度が減少した。この濃度低下は、保存温度が高く、さらには混合標準液とすることで顕著であった。ハロ酢酸類は、メタノール溶液(-20℃)保存においてもメチル化反応が進むため、標準溶液に用いる溶媒はtert -ブチルメチルエーテルが最適であることを確認した。
著者
四宮 博人 切替 照雄 浅野 喜博
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

申請者が同定したp65/L-plastin は, 白血球に特異的に発現され,アクチン細胞骨格の再構築(p65-actin-scaffold) に関与している。p65-actin-scaffold は菌体刺激によって随時形成され, これを中心に形成される高次タンパク質集合体が, 感染防御的細胞応答の基盤として機能すると想定している。p65/L-plastin とともに細胞骨格のダイナミクスに関与するタンパク質,およびp65-actin-scaffold と高次タンパク質集合するタンパク質としてNADPH オキシダーゼ p47^<phox> などについて, 特異抗体を用いてp65-actin-scaffold との共存関係を調べた。また, マクロファージ内でのそれらの局在変化と貪食・細胞接着や殺菌活性の増強との関連を評価した。ルミノール結合ビーズを用いて, 貪食依存性の活性酸素酸性定量法を確立し, 細胞骨格の再構成が活性酸素産生において重要であることを明らかにした。p65/L-plastin, WASP, VAV に関して, それぞれの欠損は貪食・細胞接着依存性の活性酸素産生の障害をきたすことを考え合わせ, p65-actin-scaffold を中心とする細胞骨格系のダイナミクスが, 白血球の感染防御活性の発現において重要な役割を担うと考えられた。