著者
朝井 義人 渋沢 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.327, pp.79-84, 1995-10-20

従来、入出力命令を含むプログラムの並列化の際には、入出力命令とその他の命令が分けられ、入出力命付に関しては逐次で実行されていた。そのため並列化の効率が悪くなるという問題があった。本稿ではより多くの並列性を抽出するために、入出力命令を含むプログラムの新たな並列化手法について報告する。この手法は、入出力命令を含まないプログラムの並列化で利用されている最早実行開始条件解析法に、新たに入出力命令間の依存関係としてデバイス依存を導入することにより並列化を行うものである。またこの手法の有効性を示すために、シミュレーションにより従来の手法と本手法の性能比較を行った。その結果、プログラムの大きさ、入出力命令の割合に関係なくデバイス依存を用いた方が効率的に並列化が行われていた。