著者
朝日 南々香 竹内 勇剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.1, pp.2-13, 2023-01-01

対人インタラクションにおける身体接触は,被接触者に精神的安泰をもたらしたり,向社会的行動を促進する効果があることが明らかになっており,このような身体接触はソーシャルタッチと呼ばれている.本研究では,ロボットが作業課題の遂行を依頼する状況下において,ロボットの接触のタイミングの統制が2名の実験参加者の協力行動に及ぼす効果を明らかにするため,2人1組の19ペアを対象に同期条件/非同期条件/非接触条件の3条件からなるインタラクション実験を行った.実験は,ロボットが作業課題の依頼とともに身体接触を行い,その後実験参加者の2名1組のペアとなって作業課題を行うものである.実験の結果,ペアに対するロボットの同期的な接触が,非同期的な接触や接触しない場合に比べ,統計的有意に実験参加者の協力行動を促進させることが明らかになった.一方で,ロボットの身体接触は,実験参加者のペアとなった相手及びロボットに対する印象には影響しなかった.これらの結果から,ロボットによるソーシャルタッチはインタラクションにおける時間的構造が関与している可能性が示唆され,二者に対する同期的な身体接触は,人同士の協力行動を促進するために有効であることが示された.