著者
遠藤 正英 橋本 将志 足立 勇人 木下 洋平 田川 淳 甲斐 健児 薛 克良 浅山 滉 服部 文忠
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.104-106, 2012-04-01 (Released:2014-01-15)
参考文献数
6

脳卒中片麻痺では,麻痺側の肩関節に亜脱臼がみられることがしばしば観察される.亜脱臼は疼痛の原因となることがある.そのため,臨床上では三角巾が多く使用されている.しかし,三角巾を使用した場合,上肢を一定姿勢で固定するため,関節拘縮を助長することや,歩行中に腕を振ることができず,動作に悪影響を与えると考えられる.今回,脳卒中の肩関節亜脱臼に対して,上肢を一定の姿勢に固定せず,動作を阻害しにくい,一人でも装着可能な新しい肩装具を製作し,症例に使用した.その結果,症例において,AHI, 10m 歩行(sec, step),TUG において,三角巾よりもよい効果を得た.さらに,自己装着も可能だった.