著者
新谷 裕 中谷 壽男 平出 敦 行岡 秀和 森田 大 西内 辰也 池内 尚司 林 靖之 松阪 正訓 木内 俊一郎
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.131-137, 2003

病院外心停止(OHCA)症例に関する検討は盛んに行われてきたが,小児のOHCAに関する検討は不十分である。われわれは大阪府全域で発生したすべての病院外心停止患者(OHCA)の蘇生に関わる事項をウツタイン様式を用いて網羅的に集計しているが,このデータを用いて小児に関する集計結果を報告する。1998年5月から1年間にOHCAは5,047例記録されたが,うち小児(15歳以下)は147例であった。その発生頻度は10万人当り年間10.3で大人(16歳以上)より有意に少なかった。しかし,乳児の発生頻度は10万人当り年間79で,大人より有意に多かった。心原性心停止,目撃のある心停止の割合が大人より少なかったが,bystanderによるCPRの割合は多かった。1か月生存率は大人より高かった。小児のOHCAのおよそ半数が乳児であるが,そのうちの41例に乳幼児突然死症候群(SIDS)の疑いがもたれた。この数値は従来の死亡統計に基づく17という値より多かった。小児のOHCAの内訳は,乳児(0歳)が68例,幼児(1-6歳)が43例,学童(7-15歳)は36例であった。乳児では内因性の心停止が多く,幼児,学童と年齢が上がるにつれ外因性が多くなった。小児のOHCAの内容は乳児,幼児,学童で明らかに異なっていた。このことは小児のOHCAのデータを解析する上で重要である。