著者
高橋 成一 木内 喜孝 遠藤 克哉 志賀 永嗣 下瀬川 徹
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.12, pp.1983-1995, 2011 (Released:2011-12-05)
参考文献数
79

潰瘍性大腸炎の寛解維持療法は,ステロイドを使用せず,サリチル酸製剤をアドヒアランスを考慮し長期に継続することが重要である.それでも易再燃性やステロイド依存性を示す場合は,チオプリン製剤が用いられる.インフリキシマブで寛解導入された症例では,特に中止すべき理由がなければ,8週間隔の維持投与が継続される.大腸癌死を減少させるために,8年ないし10年以上経過した全大腸炎型または左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎には,サーベイランス内視鏡検査を行う.色素内視鏡と狙撃生検が今後の標準的手法となる可能性がある.