著者
木坂 恭子 上野 智美 芦田 真由美 石川 佳代子 小川 千鶴 奥本 真史 片山 博恵 金永 千恵子 向井 恵子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.35-40, 2006 (Released:2006-07-11)
参考文献数
3

近年,早期母子接触の有効性が見直される中,母と子の双方に対する効果を期待し,出生直後の正常新生児にカンガルーケアを導入している。そこで,カンガルーケアが母親にどんな良い影響を与えるのかをあきらかにするためにこの研究に取り組んだ。 当院で分娩した母親への郵送アンケート調査や今回の出産で初めてカンガルーケアを行なった経産婦の感想を述べてもらった。その結果より,産んだ実感や感動は,より大きく,しかもカンガルーケアを始めてからは,分娩後早い時期から,また長い時間わが子とともにいたいと希望する母親が増えている。親子の相互作用により,安心感や信頼感が確立されると考えられる。今回の研究から,出生直後のカンガルーケアは母親の感情・行動に良い結果を与えることが分かった。