著者
原口 強 木村 克己 宮地 良典 高倉 伸一 国松 直 稲崎 富士 青野 道夫 野口 剛宏 中田 賢
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2075-2076, 2004

2003年宮城県の2回の地震では鳴瀬町の水田で規模の大きな液状化が発生した。地上型レーザースキャナーによる地表面高精度計測、電気探査、ボーリング、ジオスライサー等を実施した結果、液状化は砂採取跡の池を山砂で埋立てした地盤に限定して発生していた。新潟地震以降、国内の液状化発生代表事例を再検討した結果、人工地盤か、自然地盤かに関わらず、液状化は短期間の水中堆積で埋め立てられた新しい地盤で発生し易いという共通点が認められた。こうした場所は土地の履歴調査で特定できる。現在の液状化判定法に加えて、詳細な土地の履歴調査を行い埋立履歴と範囲・方法等が特定できれば、液状化の範囲をより精度よく予測可能となる。
著者
木村 克己
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.208-226, 1999-03-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
60
被引用文献数
6 7

犬山地域に分布する美濃-丹波帯のコヒーレントなチャート・砕屑岩ユニット(犬山シーケンス)には, 付加に伴って形成されたさまざまなタイプのスラストが発達している.これらの剪断帯の特徴とスリップ方向を南北3kmの木曽川沿いのルートで検討した.観察したスラストは20本であり, うち19本は断層条線, 残り1つはデュープレックスのファブリックからスリップ軌跡を求め, 非対称変形構造に基づいてスリップセンスを決定した.スラスト以外の縦走系断層として, 左横ずれ断層が認められるが, 断層条線の方位や剪断帯の特徴の相違からスラストと区別できる.スラストのスリップ方向の平均値は, 褶曲・傾動の補正後, N60°E-S60°Wの地層の一般走向に直行するS30°Eを示す.西南日本のアジア大陸からの回転変位と大規模屈曲構造を復元した際に, このスリップ方向は, ジュラ紀最後期~白亜紀最初期にかけてアジア大陸下に直交方向に沈み込んだイザナギプレートの相対運動方向にほぼ平行である.
著者
木村 克己
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.208-226, 1999-03-15
被引用文献数
1 7

犬山地域に分布する美濃-丹波帯のコヒーレントなチャート・砕屑岩ユニット(犬山シーケンス)には, 付加に伴って形成されたさまざまなタイプのスラストが発達している.これらの剪断帯の特徴とスリップ方向を南北3kmの木曽川沿いのルートで検討した.観察したスラストは20本であり, うち19本は断層条線, 残り1つはデュープレックスのファブリックからスリップ軌跡を求め, 非対称変形構造に基づいてスリップセンスを決定した.スラスト以外の縦走系断層として, 左横ずれ断層が認められるが, 断層条線の方位や剪断帯の特徴の相違からスラストと区別できる.スラストのスリップ方向の平均値は, 褶曲・傾動の補正後, N60°E-S60°Wの地層の一般走向に直行するS30°Eを示す.西南日本のアジア大陸からの回転変位と大規模屈曲構造を復元した際に, このスリップ方向は, ジュラ紀最後期〜白亜紀最初期にかけてアジア大陸下に直交方向に沈み込んだイザナギプレートの相対運動方向にほぼ平行である.