著者
平尾 賢生 鈴木 啓悟 木村 定雄 北 隆之介 森山 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_739-I_746, 2017 (Released:2018-01-31)
参考文献数
9

近年,道路橋のRC床版の劣化が問題となっている.そこで,本研究ではRC床版内の水平ひび割れに焦点を当て,道路橋におけるRC床版を模擬した試験体を対象に超音波探傷を行い,水平ひび割れ位置の検出手法を提案した.本手法はアスファルト表面から低周波の超音波を入射して計測した波形の内,水平ひび割れおよびそれに形状を準ずる面状境界から得る反射波形データに基づき,複素型実信号マザーウェーブレット(CRMW)を作成する.作成したCRMWを用いて連続ウェーブレット変換処理(CWT)を行うことで反射波を信号処理し,水平ひび割れ位置情報を分析する.本手法を適用した結果,波形の極大値は水平ひび割れの位置と一致しており,良好な検出性能を有することが明らかとなった.
著者
古屋 充子 田中 玲子 米満 吉和 木村 定雄
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炎症性背景をもつ発癌モデルとして内膜症と明細胞腺癌とにおける炎症性微小環境変化を解析した.G蛋白質共役受容体CXCR3を解析したところ,3つの変異体がヒト組織で確認された.定性解析の結果,CXCR3Aは内膜症,癌両者で上昇していた.CXCR3-altは癌で特異的に発現し,CXCR3Bは抑制されていた.CXCL11,CXCL4の発現パターンは各々CXCR3-alt,CXCR3Bと相関した.局在解析では,CXCR3-altは腫瘍血管に,CXCR3Bは正常血管や内膜症血管にシグナルが認められた.以上の結果,G蛋白質共役受容体CXCR3は変異体により発現組織・細胞が異なり,そのリガンド環境も疾患によって異なることが示唆された.CXCR3Bでは抑制性,CXCR3-altでは亢進性シグナルが作動すると予想された.今回期間内では変異体依存性シグナルと4回膜貫通蛋白(TM4)との関連を明らかに出来なかったが,今後は細胞レベルでG蛋白質共役受容体シグナルを介した浸潤・移動能調節機構にインテグリン/TM4がどう応答するか解析する予定である.