- 著者
-
阿部 真由子
中島 まゆみ
木村 郁美
中野 はる代
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会学術総会抄録集 第58回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
- 巻号頁・発行日
- pp.96, 2009 (Released:2010-03-19)
〈はじめに〉年間平均10件の頸部郭清術が行われている。
今回,頸部リンパ節郭清を受けた患者から,退院間近に頸
部から肩,上肢にかけての疼痛と上肢の挙上困難の訴えが
聞かれ,また,家族より退院後の生活についての不安が聞
かれた。このことから,早期からの退院指導が必要である
と感じ,頸部リンパ節郭清術後の退院後の患者の精神的・
身体的・社会的苦痛について調査し明らかにした。
〈研究方法〉頸部リンパ節郭清を受け,現在腫瘍外来に通
院中の20名に対し,半構成質問紙法で調査を行った。
倫理的配慮では研究の主旨説明,プライバシーの保護,
データを研究以外に用いないことを書面で説明し,署名で
の同意を得た。
〈結果〉予測されていた肩,上肢の疼痛,可動域制限から
手に力が入りにくく,フライパンを握りづらい,運転時な
ど後方確認などの振り向き動作が難しかったなどの日常生
活の苦痛が聞かれた。
〈考察〉患者の生活背景や性別により,個別の苦痛などが
ある。入院中には気付かなかったことが退院後に明らかに
なることがあり,早期から患者のライフスタイルに合わせ
た指導,助言が重要である。退院の方向性がみえ医師と相
談した上で試験外泊を行ってもらい,患者・家族が不安を
軽減し退院できる援助が必要である。
〈おわりに〉今回インタビュー調査した事で退院後の患者
の現状を知る事ができた。スタッフ各々が患者の状態を把
握し,個別性を考えた指導が出来ることが重要である。そ
のためにはアンケート結果を基にしたパンフレットを検討
していく必要がある。